ホンダジェット「エリート」、国内で初飛行

引き渡しは8月から

 ホンダの米航空機子会社ホンダエアクラフトは10日、日本航空学園能登空港キャンパス(石川県輪島市)でホンダジェットの新型機「ホンダジェットエリート」を日本で初飛行した。同日、日本航空学園と航空教育について覚書を結んだ。藤野道格ホンダエアクラフト社長は「パイロットの養成などソフト面の充実も重要」と、今回の覚書締結の意義を語った。

 「ホンダジェット エリート」は最新の電子機器による操縦性向上のほか、航続距離の延長、客室内の静粛性を高めた。ホンダジェットの特徴である主翼上部のエンジン配置や自然層流デザイン、一体成形による複合材を使った胴体など、初代モデルの基幹技術はそのままに、最新技術と装備を加えて、世界出荷で米セスナ・エアクラフトの引き離しを狙う。5月までに米国連邦航空局(FAA)と欧州航空安全局(EASA)の型式証明を取得した。顧客への引き渡しは8月からの見通し。

 燃料タンクの大容量化などにより、航続距離は17%増の約2661キロメートル。エンジンにはファンブレードの通過音を減衰させる新たな空気取り入れ構造を採用し、客室内外で飛行騒音を低減させた。

 このほかゴーアラウンド(着陸復行)時の自動操縦機能や限界を超える飛行の抑制など、安全機能の搭載も充実させた。機体カラーはエリート専用として、アイスブルーとルビーレッド、マナークオレンジの3色を追加設定した。

 ホンダジェットは最大7人乗りの小型ビジネスジェット。広い機内空間と軽量化された機体、優れた空気抵抗性能が特徴。エンジンは米ゼネラル・エレクトリック(GE)と共同開発した小型ターボファンエンジン「HF120」で、最高巡航速度は420ノット(時速約782キロメートル)。2017年の世界出荷機数は43機。米セスナ・エアクラフトの「サイテーションM2」を抜いて、軽量小型ジェット機で初の年間首位となった。エリートのカタログ価格は約5億8000万円。
日本航空学園能登空港キャンパスに到着した「エリート」

「エリート」の開発に携わった教員(右)と抱き合う藤野社長

「エリート」(手前)と戦後初の国産旅客機「YS-11」(右奥)

日刊工業新聞2018年7月11日の記事に加筆

明 豊

明 豊
07月11日
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 国土交通省は、来日者数の増加やビジネスジェット市場拡大につながるとして、国内空港のビジネスジェット利用環境の改善に取り組んでいる。乗り入れ希望の多い首都圏空港では、発着制限の緩和や駐機スポットの増設など受け入れ態勢の拡充を推進。乗降時の専用動線や専用待合室を設定するなど利便性の向上を急でいる。日本における17年のビジネスジェット発着回数は前年比18・8%増の1万5351回。「観光目的の訪日外国人客の利用が増えているようだ」(航空局航空戦略課)。国際間移動に限定すれば、同14%増の5190回。羽田や中部、関西といった24時間空港の利用が堅調に増えている。
 羽田では16年春にビジネスジェット用の発着枠を従来比2倍の1日16回に拡大し、「以前のように、乗り入れを断るケースが少なくなった」(同)。17年の国際間移動発着回数も同14・2%増の2329回と伸びた。海外から東京にビジネスジェットで飛来する需要が観光、ビジネスともに好調。国交省は、2020年の東京五輪・パラリンピック開催に向け、需要予測などを踏まえながら、ビジネスジェットの受け入れ態勢のさらなる拡充を検討している。

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