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「キレイキレイ」のライオン、泡状ハンドソープの売り上げが10%以上伸びたワケ

詰め替え回数減、使用量拡大
 ライオンのハンドソープブランド「キレイキレイ」が好調だ。3月に発売した「薬用泡ハンドソープ」の大型ボトル化が奏功し、泡状のハンドソープの売り上げが2017年比約10%以上伸びている。詰め替え回数を減らすことで、買い忘れによる空白期間などの機会損失をなくし、使用量を拡大。衛生意識の高まりで手洗い回数が増えていることも市場拡大を後押ししている。

 1997年に発売した「キレイキレイ」ブランドは、ハンドソープ市場において4割強のシェアがある。2000年以降、18年連続で、トップを維持。17年度のハンドソープの市場規模は約240億円で、16年から約2%増加した。

 ライオンの戦略は、手洗い習慣の徹底だ。このため、泡や液体タイプだけでなく、シートタイプや消毒剤など、さまざまな商品を開発、展開している。洗面台以外での使用を増やすため、台所専用品や外出先で使えるウェットシートなども投入。使用シーンを拡大することで、1日の手洗い回数を増やし、使用量の拡大につなげる。

 3月に発売した泡タイプの大型ボトルは、通常サイズ(250ミリリットル)の2倍の500ミリリットル入り。面倒な家事の一つに挙がる詰め替え作業の省力化に目を付けた。詰め替え品を買い忘れて、詰め替えが後回しになると、その期間の使用量が減ってしまう。大型ボトルの投入で単価を上げ、詰め替えの回数を減らすことで、使用量を増やすことにもつなげる。詰め替えサイズも以前は200ミリリットルが主流だったが、今は450ミリリットルや800ミリリットルの大型サイズにシフトしつつある。

ライオンでは、共働き世帯が6割を占める現状を踏まえ、CMなどで詰め替え作業の軽減をアピールし、働くお母さんが共感しやすいブランドコミュニケーションを展開する。「キレイキレイ」の音商標も登録し、メロディーから手洗い習慣やブランドの定着につなげる。
日刊工業新聞2018年7月6日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
フェイスブックやインスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)も活用し、さらなる市場拡大を目指す。 (日刊工業新聞社・高島里沙)

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