IoTの時代だけど…若手の技能の底上げにこだわり「技能道場」

荏原が新入社員向け研修

 荏原は富津工場(千葉県富津市)で、新入社員に100日間にわたって技能を教え込む研修を実施している。「ポンプ技能道場」と銘打った作業場には、30年以上前の工作機械が並んでおり、一から学べる環境が整う。IoT(モノのインターネット)などが工場のあり方を変えつつある中、若手の技能の底上げにこだわる活動だ。旧羽田工場の時代から続く100日研修が、今年も7月に始まる。

 「新入社員でも説明すれば分かる。(私たちが)黙っていても、できるようになるまでのレベルに育て上げる」―。三井徹カスタムポンプ事業部カスタムポンプ生産部長は目的をこう説明する。

 基本的な実習を終えた新入社員を待ち受けるのが100日研修だ。

 ポンプの組み立てと分解を繰り返しながら技能や知識を学ぶとともに、旋盤やフライス盤を使って加工技術を身に付ける。数値制御(NC)の工作機械が当たり前の今では、「研修に必要な古い機種を探すのが大変」(三井部長)という。

 研修にはベテランの指導員とともに中堅社員が加わることもあるという。教える立場の社員を育てることができ、一石二鳥の効果を得られる。中堅社員がいずれは社内のリーダーとして頭角を現すことにつながりそうだ。

 ポンプ技能道場には、技能士の資格取得を目指す社員も集まる。作業が終わる夕方から2時間ほどが加工の腕を磨く時間だ。モノづくりを追求する意識が社員に根付いている。
 
 荏原にとって、産業向けの大型ポンプや高圧ポンプを生産する富津工場は各生産拠点のマザー工場だ。そのため「ICT(情報通信技術)などに対応することも考えている」(同)という。

日刊工業新聞2018年6月25日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
06月25日
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生産性を高めるにはIoTや自動化が避けられないが、作業者の技能が生産の基本だ。ポンプ技能道場に荏原のDNAが宿っていると言えそうだ。
(日刊工業新聞社・孝志勇輔)

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