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エアコン温度の不満解消します!「MR」で室温差が一目瞭然

阪大がシステムを開発
エアコン温度の不満解消します!「MR」で室温差が一目瞭然

MR活用により室内の空気の流れや温度が一目で分かる

 大阪大学大学院工学研究科の福田知弘准教授らは、現実空間と仮想空間を融合した複合現実(MR)を活用し、室内の温度環境を検討するシステムを開発した。眼鏡型デバイスを使い、実際の部屋での空気の流れを線形状、その温度を色で表示して確認できる。エアコンの設定温度だけでは確認できない細かな温度の違いが一目でわかり、改善点がわかりやすい。オフィスなどの生産性向上や環境負荷低減につなげる。

 システムは室内の温度に対して満足していない人が多いことに注目し開発した。温度に対するストレスがあると作業効率が落ちやすくなる。システムでは壁や柱、家具、電子機器などの配置による影響を、実際の環境に重ねて目視で確かめられる。

 音声で画面を切り替え、3次元画像で部屋全体の空気の動きを1画面で見ることもできる。

 今後、実用化に向けてデータ処理の精度や空気の流れの計算時間の向上を図る。家具などの位置変更による影響を迅速に画面へ反映できれば、快適な環境を整えやすい。温度評価の最適な指標も研究し、将来は建物の設計段階で温度環境の評価・検討をできるシステムを目指す。
日刊工業新聞2018年6月21日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
将来は建物の設計段階で評価できるシステムを目指すとのこと。オフィスの空調設備を設計する場合は、現在も空気の流れなどをシミュレーションするかと思うのですが、こうしたシステムの導入により、どれくらい設計の最適化度合いが高まるのかが気になります。

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