新潟工大が「強風の研究」テコに地元企業と連携
新研究センターを発足、産学連携の拠点に
新潟工科大学は風や流体に関する研究を手がける「風・流体工学研究センター」を発足させた。大型風洞実験装置やこれまで蓄積してきた知見を活用し、独自性がある実践的な研究を推し進める。地元企業と連携しながら地域の課題解決や技術者育成にもつなげる考え。地域との結びつきが強い研究・教育機関として存在感を一層高めようとしている。
「風に関する研究を発展させて大学の特色とし、地域に貢献していく」。大川秀雄学長はセンターの発足の目的をこう話す。
新潟県は、他の地域に比べて年間を通じて強い風が吹き、特に冬季は日本海からの強風にさらされる。ビル風だけでなく、地吹雪や飛砂といったさまざまな環境問題にも直面する。新潟工科大学は、こうした地元特有の課題を解決するため、これまでも「風」に関する研究に取り組み、独自性を発揮してきた。
同大学はセンターの発足を機に、これまでの成果や知見を基盤として活用しながら、より実践的な研究を推し進めていく。全学的な研究プロジェクトとして地域の課題解決につなげる。
研究を進める上で強みとなるのが、学内のさまざまな実験設備。代表例といえるのが、建築用としては国内最大級の規模を誇る大型風洞実験装置。これまでも新潟県内の建築物の風環境アセスメントなどで活用されてきた実績がある。
建築物などの模型に風をあてて流れや強さなどを測定する装置で、幅と高さが1・8×長さが13メートルと大きな測定部があり、さらに正確、詳細な測定が可能だ。このほか流体速度の計測システムを導入するなど設備の充実を通じて知見を高めていく。
産学連携や人材育成の拠点としてもセンターを活用していく。学生と企業関係者が共同で研究に取り組むことによって交流を一段と深め、街づくりや製品開発などに役立てる狙いがある。
県内の企業と自治体もセンターの活用や大学との連携に前向きな姿勢を示す。同大学が2月に企業や自治体の関係者らを対象に実施したアンケートでは、約4割から「センターに相談したい」との回答を得た。
アンケート結果からは、モノづくり企業が工場内での効率的な空調制御や粉じんの抑制といった課題を抱えていることなどが浮き彫りとなった。今後は、これらの中から複数を研究テーマとして取り上げる計画。センター長を務める富永禎秀教授は「課題解決の事例を増やしていくことで、センターを活用する企業を増やしたい」と話している。
「風に関する研究を発展させて大学の特色とし、地域に貢献していく」。大川秀雄学長はセンターの発足の目的をこう話す。
新潟県は、他の地域に比べて年間を通じて強い風が吹き、特に冬季は日本海からの強風にさらされる。ビル風だけでなく、地吹雪や飛砂といったさまざまな環境問題にも直面する。新潟工科大学は、こうした地元特有の課題を解決するため、これまでも「風」に関する研究に取り組み、独自性を発揮してきた。
同大学はセンターの発足を機に、これまでの成果や知見を基盤として活用しながら、より実践的な研究を推し進めていく。全学的な研究プロジェクトとして地域の課題解決につなげる。
研究を進める上で強みとなるのが、学内のさまざまな実験設備。代表例といえるのが、建築用としては国内最大級の規模を誇る大型風洞実験装置。これまでも新潟県内の建築物の風環境アセスメントなどで活用されてきた実績がある。
建築物などの模型に風をあてて流れや強さなどを測定する装置で、幅と高さが1・8×長さが13メートルと大きな測定部があり、さらに正確、詳細な測定が可能だ。このほか流体速度の計測システムを導入するなど設備の充実を通じて知見を高めていく。
産学連携や人材育成の拠点としてもセンターを活用していく。学生と企業関係者が共同で研究に取り組むことによって交流を一段と深め、街づくりや製品開発などに役立てる狙いがある。
県内の企業と自治体もセンターの活用や大学との連携に前向きな姿勢を示す。同大学が2月に企業や自治体の関係者らを対象に実施したアンケートでは、約4割から「センターに相談したい」との回答を得た。
アンケート結果からは、モノづくり企業が工場内での効率的な空調制御や粉じんの抑制といった課題を抱えていることなどが浮き彫りとなった。今後は、これらの中から複数を研究テーマとして取り上げる計画。センター長を務める富永禎秀教授は「課題解決の事例を増やしていくことで、センターを活用する企業を増やしたい」と話している。
日刊工業新聞2018年4月17日