株価と連動、安くなるほど外車が売れない!

国内勢との競争激しく、逆に中・高価格帯は好調

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高級感を持たせた小型SUVのBMW「X2」
 輸入車市場(国内メーカーの逆輸入車を除く)で、中・高価格帯モデルの販売比率が上がっている。日本自動車輸入組合(JAIA)によると、2017年の販売全体に対する価格帯シェアで400万−999万円の比率は13年比12・3ポイント増の41・3%に達した。商品の充実や株価の上昇などによる資産効果が背景。一方、400万円未満の入門価格帯は、「走り」を磨いた国内メーカー車との競争激化もあり苦戦も目立つ。

 4月に受注が始まった独BMWの小型スポーツ多目的車(SUV)「X2」。特徴の一つは内装の高級感で、価格は436万円(消費税込み)からと同社の同じ小型SUV「X1」の最安グレードと比べ16万円高い。00年以降に社会人になった「ミレニアル世代」の高所得者に狙いを定めた。

 JAIAの担当者は「400万―700万円未満の海外メーカー車ラインアップが充実してきた」と話す。輸入車の雄である独ブランド車は言うに及ばす、他ブランドも存在感を示す。17年10月発売のスウェーデンのボルボの「XC60」(消費税込み599万円から)は、海外メーカー車として2度目の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し注目を集めた。

 一方、17年の400万円未満の輸入車販売台数は前年比5・5%減の14万6684台。前年比減は4年連続で、価格帯シェアは13年比16ポイント減の48・1%に落ち込んだ。足を引っ張ったのは200万―299万円の価格帯で、17年販売は前年比12・3%減の5万8424台と低迷した。

 マイナス要因の一つが国内メーカー車の攻勢だ。マツダの「CX―5」(同249万4800円から)、SUBARU(スバル)の「インプレッサ」(同194万4000円から)などデザインや「走り」を磨いた車がライバルとして存在感を高めている。スバル幹部は「当社がベンチマークにする海外メーカー車からの乗り換え需要が増えている」と明かす。

 輸入車全体の販売は好調で、17年の登録車に占めるシェアは9・0%と過去最高を更新した。各メーカーはさらなる拡販に向け入門モデルの投入でユーザーの裾野を広げる。300万円未満でも仏シトロエン「C3」(同219万円から)など好調な車種もある。

輸入車が中高・低の両価格帯で販売を伸ばすようになれば、国内メーカーにとってより手ごわい存在になる。
              

(文=後藤信之)

日刊工業新聞2018年6月4日

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後藤信之
編集局ニュースセンター
副部長

消費者サイドの変化も見逃せない。輸入車販売は株価との連動性があり、12年からの株価上昇で中・高級モデルの購買意欲が高まった。またヤナセ関係者は「15年に団塊世代がすべて65歳以上になり現役を退き、中・高級車の販売を底上げしている」と指摘する。

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