産業用ロボット受注、1兆円が射程に入った! 

中国がけん引

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ファナックの人と協働ロボット
 日本ロボット工業会は23日、2017年の産業用ロボットの受注額(非会員を含む)が前年比27・8%増の9447億円だったと発表した。9000億円を超えるのは初めて。人手不足などを背景に世界で工場の自動化(FA)やロボット需要が拡大。中でも中国が全体をけん引した。総出荷額は同25・1%増の8956億円となり、過去最高を更新。うち中国向けの輸出額は同49%増の2599億円と急拡大した。

 政府の支援を受ける中国ではFAへの投資が拡大。耐久性や精度への要求も高まり、「信頼性に優れる日本製ロボットを導入する機運が高まった」(同協会幹部)と分析する。

 18年の受注額は同16・4%増の1兆1000億円を見込む。中国などでFAの流れがさらに加速するほか、日欧米ではIoT(モノのインターネット)の普及などで「ロボット活用への関心が高まる」(同協会幹部)と予測。数年先も世界的なロボット需要は続くとの見通しを示した。
                 

新会長はアイデアマン


 日本ロボット工業会会長に川崎重工業の橋本康彦常務執行役員精密機械・ロボットカンパニープレジデントが就任した。橋本氏は川重が油圧駆動の産業用ロボットを手がけていたころエンジニアとして入社、以来37年間すべてのロボット開発に携わった。橋本氏は同工業会会長として「ロボットをみなさんに使っていただけるようにしたい」とし、普及拡大を最大のミッションに掲げる。

 「日本はまだまだロボットの利活用が低い」―。ロボットメーカーが世界で躍進する日本だが、橋本氏は利用率は海外に比べ見劣りするとの認識を示す。

 利活用拡大の取り組みの一つとして同工業会は、システムインテグレーター(SI)を中心とした連携組織「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」を7月に発足する。

 橋本氏は川重ではアイデアマンとして知られる。1997年に本格参入した半導体ウエハー搬送用ロボットでは企画開発から携わり、世界シェア約5割を確保するまでに育てた事業家の一面も持つ。17年には人工知能(AI)を活用して熟練作業を自動化するロボットシステム「サクセサー」を開発し、斬新(ざんしん)なアイデアを次々と具体化してきた。

 「ノートはロボットの落書きでいっぱいだった」。幼少期に鉄腕アトムに憧れた生粋のロボットエンジニアの橋本氏。日本ロボット工業会でも持ち前の発想や実行力が期待されることになりそうだ。
橋本康彦氏

(文=西沢亮)

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 ロボットは周辺機器を含めたシステムとして活用するため、立ち上げや運用を支援するSIの役割は重要だ。橋本氏は「SIという大事な仕事があることを知っていただき、人材も育成したい」と指摘。100社程度の参加を見込み、SI事業基盤の強化を目指す。 (日刊工業新聞・西沢亮)

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