OA業界、収益回復は本物か

今期は新製品効果で全社増益予想、貿易摩擦リスクも

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 OA機器5社は2019年3月期業績見通しで全社が営業増益を見込むなど、事業が堅調に推移しそうだ。主力の事務機器市場は競争が激化しているが、各社はコスト競争力の高い新製品の効果でシェア向上を狙う。一方、米中による貿易摩擦問題が深刻化した場合、為替変動が今期のリスク要因となりそうだ。

 業界最大手のキヤノンは、事務機器やカメラ、メディカルなど全事業で増収増益を見込む。この内、主力のオフィス事業では、個人認証が可能なソリューション付きの複合機を発売するなど、新製品による販売数量増加を目指す。同事業で「前期比3・9%の増収を見通している」(田中稔三副社長)。

 コニカミノルタもA3複合機などの販売が好調。新製品の投入で18年3月期は北米や中国で販売を伸ばしてきた。今期も引き続き先進国を中心に全世界での拡販を狙う。

 富士ゼロックスとリコーは構造改革費用の影響がなくなり、19年3月期から営業増益に転じる。リコーは売価下落に伴う販売ミックスの悪化で今期は200億円の減益要因となる見通し。決して楽観視はできない。山下良則社長は「米国を中心にきっちり回復させたい」と意気込む。

 一方、今期のリスク要因として為替の変動が影響しそう。米中貿易摩擦問題が拡大すれば、海外売上比率の高い各社の業績に響く可能性がある。セイコーエプソンは想定レートを1ドル=100円と保守的に設定した結果、減収となる見通しだ。
                        

日刊工業新聞2018年5月21日

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

OA業界は中長期ではなく短期で見ても事業環境は厳しくなる。先進国ではオフィスのペーパーレス化が急速に進む。リコーが北米事業で約1700億円以上の巨額の減損に追い込まれるなど、富士フイルムHDがゼロックスを買収する利点は何なのか?という声も多い。成長が期待できる新興国市場も収益性には疑問符が付く。キヤノンなどは非OA部門のM&Aを大胆にやってくるだろう。

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