再生可能エネルギー主電源化へ、国民負担の抑制待ったなし

エネルギー基本計画素案、6-7月の閣議決定を目指す

 経済産業省・資源エネルギー庁は2030年までと50年までの中長期戦略を盛り込んだエネルギー基本計画の素案を示した。30年の最適なエネルギーミックスは「既存技術による最大限の対応を念頭に展開」と明示。50年は「非連続の革新技術での対応を念頭に置く」とした。またエネルギー転換と脱炭素化に向け、官民協調の開発プロジェクトを立ち上げ、転換投資を促す政策を実施することを記載した。

 16日、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で「第5次エネルギー基本計画」について議論した。6―7月の閣議決定を目指す。

 まず計画策定の背景として、エネルギー価格の低下やエネルギー技術間競争の始まりなどを挙げた。これらを踏まえ、再生可能エネルギーの拡大や原発依存度の低減を進める考えを示した。また脱炭素化やエネルギー安全保障などの観点から「エネルギー技術という希少資源を開発し確保しなければならない」と記した。

 主力電源化を進める再生可能エネルギーは、固定価格買取制度に関し「国民負担の抑制が待ったなし」と指摘。系統制約問題には、既存の送電線を最大限に活用する仕組みや、低コストの次世代送電網の構築を進めると記載した。

 水素については、燃料電池車を中心にモビリティーの需要拡大を進める必要性を指摘。コスト低減に向け、製造・輸送・利用を行う国際体制の構築を訴えた。

 委員を務めた山内弘隆一橋大学大学院教授は普及に向け「“ガラパゴス”化を防ぐ政策を進めてほしい」と語った。

 原子力は重要な電源とする一方、可能な限り低減させるとの考えを堅持し「安全確保を大前提に安定的に進める」とした。

 このほか化石燃料は高効率火力に傾注し「30年度に向けて中間評価の基準設定などの措置を講じる」と盛り込んだ。

日刊工業新聞2018年5月17日

永里 善彦

永里 善彦
05月19日
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今回のエネルギー基本計画案は、50年に向けて再生可能エネルギーを主力電源にする姿勢を打ち出した。そのためには競争力あるコストを実現する技術/政策、エネルギーの貯蔵法、送配電の抜本的整備等が必要となる。一方、原子力発電については重要なベースロード電源とするも、建て替えや新増設に関して全く踏み込んでいない。脱炭素化やエネルギー安全保障などの観点を視野にいれれば、原発は避けて通れない課題なのに国は今後どうするのか。足元をみても、例えば原発の使用済み核燃料を処理する核燃料サイクル政策や高レベル放射性廃棄物処理等課題が山積している。国はエネルギー源に関する明確なヴィジョンを提示し将来に向けての具体的なロードマップを示してほしい。

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