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「一見さん大歓迎」新ばし芸者を見るチャンス!

5月24日~ 第九十四回 東をどり開催
「一見さん大歓迎」新ばし芸者を見るチャンス!

舞に食に、艶に粋。日本を五感で楽しむ催し

 5月24日〜5月27日の4日間、新橋演舞場にて「東をどり」が開催される。1925年落成した新橋演舞場のこけらおとしとして企画され、戦時中中断されたが戦後復活。高度経済成長とともに隆盛し、数々のスター芸妓を生んだ新橋芸妓連の舞踊会だ。

 もともとこの「東をどり」は限られた人を観客に想定したものだった。それが月日と共に、「一見さん大歓迎」――誰もが触れられる、開かれたものへと変化していった。

 「昔は表に出なかった」という芸者衆も、正装の着物を着てロビーなどで写真撮影に応じてくれたり、点茶席があり、そこで抹茶を振舞ってくれたりする。

 普段は接することのない芸者衆に触れられる機会とあり、大人気だ。「踊りをしていたので憧れ」「若い頃はね、私もね……」と話す年配の方の姿も見られる。
芸者衆が名刺代わりに使っている「千社札」

 料亭と共にある新橋花柳界らしく、桟敷席限定、休憩に演舞場に近い金田中から温冷を感じる料理が届く「東をどり桟敷膳」を初め、名店が集って1つの品を作るという食事にも力が入っている。また料亭の持ち寄る銘酒と酒肴も揃っていて、「四日限りの大料亭 演舞場」とうたう文句に偽りなしだ。

 食事と舞踊、そして全員が並び口上を述べるフィナーレは毎回見事なもの。指先まで意識された所作の美しさ、昔から人々に愛されている空間。

 かつては限られた人のみが観覧できた東をどりも、気軽に見に行けるようになった。友人や両親との体験共有や、また日本の文化を再発見しに、一度覗いてみてはいかがだろうか。今日、この舞台が残っている理由、また残そうと励んでいる人たちの姿が心に残ることは間違いないだろう。
メトロガイド
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
さらに身近に!と新橋の皆さんが力を入れている、芸者さんが間近に見られる「なでしこの踊り」夏の会は7月18~23日開催予定。なんと今回は赤坂芸者衆と初の手合わせだそうです。芸者という文化を大切にし守るべきところは守り、しかし新しい姿を見せ続ける新橋芸者さん。まさに守破離ですね。 食事も美味しいのでぜひ!

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