石油元売り、人手不足が深刻で系列給油所の支援に乗り出した

求人サイトを開設

 人手不足が深刻化する中、石油元売りが系列給油所(SS)の従業員確保や人材育成支援に乗り出している。電気自動車(EV)をはじめとするエコカーの普及もあり、ガソリン需要とともにSSの店舗数は減り続けているが、元売りにとって自社ブランドの看板を掲げるSS網は“勢力図”そのもの。新規事業展開の拠点にもなるだけに、支援に力が入る。(編集委員・青柳一弘)

若年層へ訴求


 出光興産は4月初め、約800社ある特約店のSS求人情報を集約して掲載するウェブサイト「出光ジョブネット」を開設した。アルバイト従業員の確保にとどまらず、SS業務に求められる資格取得や社員への登用も支援する。サイトはスマートフォン対応にして若年層への訴求力を高め、ネット経由の申し込みのほか、専用コールセンターで電話による問い合わせや応募受け付けも一括して代行。これまでの特約店個別の採用活動では「接客などで電話に出られず、採用機会を逸しているケースも多い」(販売部)という。

 出光ジョブネットの本格導入に先立ち、関東エリアで試験運用を実施。2月の1カ月間にアクセス数4600件余りで282件の応募を受け付け、175人の採用に結びつけた。引火性危険物を扱うための資格取得支援では研修費用を補助し、合格した場合には受験料の半額を還元。また、社員登用時には祝い金を支給する。

300人弱採用


 一方、JXTGエネルギーは長年、SS従業員の資格取得支援や燃料油以外の消耗品販売など経営多角化に重点を置いて特約店を支援してきた。だが、人手不足の深刻化を受け2017年4月、ホームページにSSアルバイト・パートの求人サイトを開設した。

 旧東燃ゼネラル石油との経営統合により、「エネオス」のほか、「エッソ」「モービル」「ゼネラル」の計4ブランドで、1200社余りの特約店を中心に展開するSSの店舗数は業界最多の約1万3000カ所。それだけ求人ニーズも多く、直近では「都市部を中心に約1600カ所のSSが登録し、月間のアクセス数約2万件で300人弱の採用実績がある」(販売本部リテールサポート部)という。

日刊工業新聞2018年5月11日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
05月11日
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06年に業界で初めて、インターネットを活用したSSの求人支援を始めたのは昭和シェル石油。2年後の08年に消耗品卸販売やSSの運営サポートを担う子会社のライジングサンに業務を移管している。ただ、コンサルティングを通じた特約店独自の採用活動で人材を充足できるようになり、現在はホームページでの求人情報の提供は行っていない。
(日刊工業新聞社・青柳一弘)

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