「ヤフオク!」の匿名配送、安心・気軽さで流通額の拡大狙う

メルカリや楽天と競争激化の中で

 ヤフーは、個人同士が多様な商品をインターネット上で売り買いできるサイト「ヤフオク!」について、配送サービスの改善を推進している。2017年秋には日本郵便と連携し、商品の出品者が匿名で配送できる仕組みを整えた。利用者が安心して気軽に出品できる環境を整え、出品者の流入を増やす。メルカリ(東京都港区)や楽天と競合するネット個人間取引市場で流通額を拡大する。

 「配送は、出品者が『ヤフオク!』を利用する際に必ず通る。出品者を増やすため、簡単な仕組みづくりに注力している」。ヤフーのヤフオク!ユニットに所属する林啓太ユニットマネージャーは力を込める。個人間取引市場は今後の流通拡大が期待されている。その中で、自社サービスに新規の利用者を呼び込む施策として、簡便な配送システムの構築は重要なテーマという。

 ヤフーは16年から配送サービスの改善を強化してきた。ヤマト運輸や日本郵便と連携し、出品者が購入者の宛名を手書きせずに発送できる仕組みなどを整えた。現在は、ヤマト運輸の直営店やコンビニエンスストア、郵便局に商品を持ち込むと簡単に発送できる。

 また、配送時に取引の相手に自分の住所や名前を開示することに抵抗感を持つ利用者がいたため、17年11月には匿名配送の機能を導入。出品者や購入者が互いの氏名や住所を開示せずに配送できるようにした。

 ヤフーがヤフオク!の出品者の拡大を狙う背景には、ヤフオク!の活性化とネット通販モール「ヤフーショッピング」の流通額を拡大する狙いがある。

 ヤフオク!で商品を売却して得た資金を使って、ヤフーショッピングで別の商品を購入するといった相互送客につなげる。これにより電子商取引(EC)市場でのヤフーの存在感を高める。「ヤフオク!とショッピングを両輪にECサービスを拡大する」(林ユニットマネージャー)上で、ヤフオク!の安心で簡単な配送体制の構築は欠かせない。
(文=葭本隆太)

日刊工業新聞2018年5月2日

松井 里奈

松井 里奈
05月02日
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買った相手(見ず知らずの人)に自分の情報が知られないということであれば、売る側としても安心して利用できる。

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