〝自動車大国〟愛知県がシリコンバレーをライバル視

自動運転車の公道実証実験で存在感発揮へ

 愛知県で公道を使った自動運転車の実証実験が進んでいる。2017年度に運転席が無人の「レベル4」に相当する走行を県内の幸田町、春日井市、名古屋市で実施し、18年度には難度を上げた実証にも取り組む。トヨタ自動車が本社を構える愛知県は“自動車大国”でもあるため自動運転の公道試験に積極的で、周辺の理解も得やすい環境にある。自動車産業の最先端分野でも存在感を発揮しようと、鼻息は荒い。

 「米シリコンバレーに負けないように、実証実験を積み上げていく」。愛知県の大村秀章知事は、2月に名古屋市の県庁周辺で開いた公道試験で、自動運転の実証イメージが強いシリコンバレーをライバル視する姿勢を示した。

 愛知県は自動運転車の実証実験をアイサンテクノロジーやティアフォー(名古屋市中村区)などのグループに委託しており、この日は17年12月の幸田町、18年2月の春日井市に次いで、公道で3度目の試験だった。

 自動運転システムを開発するティアフォーの創業者で、東京大学大学院准教授の加藤真平取締役は「無人なうえに、都心部でできたことは非常に収穫があった」と手応えを述べる。無人の公道試験は実施できるシリコンバレーなどと違うのは、交通量の多い都心部が実証の場として提供されること。加藤取締役は「愛知県は、米グーグルや自動車メーカーでもできないようなことを、先駆けて取り組んでいる」と評価する。

 名古屋市での実証では新たな試みとして、保険会社のチームが遠隔地に待機し、トラブルが起きた場合にリアルタイムで対処する体制もとった。数年先の実用段階を見越して体制拡充を進める。愛知県は18年度には複数台の自動運転車を投入し、監視室で同時に監視・コントロールする状況にチャレンジする。
(文・今村博之)

日刊工業新聞2018年4月24日

日刊工業新聞 記者

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04月26日
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自動運転を巡っては、3月に米アリゾナ州で公道試験中の米ウーバー・テクノロジーズの自動運転車が歩行者をはねる死亡事故も起きている。実証実験には細心の注意が必要だ。まずは特定地域・時間での高齢者の送り迎えなど2―3年後の実用化を見据え、大村知事は「国の法規制などにも働きかける」と意気込んでおり、官民一体で実現にまい進する。
(日刊工業新聞者名古屋支社・今村博之)

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