ダイハツがIoTで自動車点検作業を3割短縮
整備士不足に対応、全国の販売店に3年かけて展開
ダイハツ工業は、販売店の自動車点検作業時間を3割短縮するシステムを開発した。ウエアラブルマイクや専用タブレット端末などのIoT(モノのインターネット)機器で構成。点検・整備作業時の整備士の音声を認識し、点検結果を自動記録するシステムで、工具と筆記具を持ちかえる手間を省く。第1号として、2月に南国店(高知県南国市)へ導入した。3年かけて、全国の販売店に展開する考え。
業界課題の整備士不足が年々深刻化する中、点検作業の半分以上を占める6カ月や12カ月の定期点検をまず効率化する。将来は車検での活用も目指す。生駒勝啓専務執行役員は「人の記憶力は限られるが、音声入力はタイムリーに正確な記録が残せる」とし、整備品質向上も期待する。
仕組みはシンプル。整備士の胸元につけたウエアラブルマイクのスピーカーを通じ、システムが点検項目を読み上げる。読み上げられた作業を終えると、整備士が「良好」や「交換」などの結果を発話。システムが高精度に認識し、内容を自動記録する。タイヤなどのボルト締め付け時の数値を記録し、データ転送できるデジタルトルクレンチも用いる。
作業時間短縮に加え、点検整備シートの電子化による顧客管理体制強化も見込める。各点検項目の所要時間が記録でき、ガイド機能もあるため、新人教育にも活用していく。
新システムは海外の取り組みを応用した。車検制度のない海外は、整備士育成が日本より難しい。新人は同じことを繰り返し、トレーナーに聞きにくい。そこで海外事業では、ビデオや音声ガイドを使った教育プログラムを採用。成果を上げる同取り組みをヒントにした。音声認識を手がける企業の協力も得て、実店舗で実証実験を重ね、導入にこぎつけた。
(文・松中康雄)
業界課題の整備士不足が年々深刻化する中、点検作業の半分以上を占める6カ月や12カ月の定期点検をまず効率化する。将来は車検での活用も目指す。生駒勝啓専務執行役員は「人の記憶力は限られるが、音声入力はタイムリーに正確な記録が残せる」とし、整備品質向上も期待する。
仕組みはシンプル。整備士の胸元につけたウエアラブルマイクのスピーカーを通じ、システムが点検項目を読み上げる。読み上げられた作業を終えると、整備士が「良好」や「交換」などの結果を発話。システムが高精度に認識し、内容を自動記録する。タイヤなどのボルト締め付け時の数値を記録し、データ転送できるデジタルトルクレンチも用いる。
作業時間短縮に加え、点検整備シートの電子化による顧客管理体制強化も見込める。各点検項目の所要時間が記録でき、ガイド機能もあるため、新人教育にも活用していく。
新システムは海外の取り組みを応用した。車検制度のない海外は、整備士育成が日本より難しい。新人は同じことを繰り返し、トレーナーに聞きにくい。そこで海外事業では、ビデオや音声ガイドを使った教育プログラムを採用。成果を上げる同取り組みをヒントにした。音声認識を手がける企業の協力も得て、実店舗で実証実験を重ね、導入にこぎつけた。
(文・松中康雄)
日刊工業新聞2018年4月12日