物流施設の労働力、保育施設の整備で確保せよ!

日本GLPと大和ハウスが千葉・流山に開発

 千葉県流山市に国内最大級の物流施設集積地が生まれようとしている。日本GLP(東京都港区、帖佐義之社長、03・6858・2250)と大和ハウス工業が競うように大型施設群を開発。すべて完成すれば総延べ床面積は約100万平方メートル、ざっと7000人程の雇用が必要になる見通しだ。流山は首都圏における旺盛な物流施設需要の受け皿となれるのか。頼みとするのは子育て世代の労働力だ。

地元も後押し


 大規模な造成と建築工事が進む現場は、常磐道の流山インターチェンジから北に延びる県道沿いにある。国道16号と外環道という二つの首都圏環状道路へのアクセスも良い。6月には外環道の埼玉―千葉区間が開通し、物流拠点としての地理的優位性は一層高まる。

 日本GLPのプロジェクト「GLP流山」は3棟で延べ床面積約32万平方メートル、大和ハウスの同「DPL流山」は5―6棟で同約68万平方メートル。二つの施設群は2キロメートルと離れていない。ともに市街化調整区域や未利用農地だった場所で、これまでは開発が難しかった。物流施設が雇用を創出すると期待した地元の後押しもあって、特別に開発が許可された。

 物流施設内の仕分けや梱包(こんぽう)作業には、いまだ多くの人手が必要だ。十分に雇用が確保できることは立地の必要条件であり、入居企業が最も気にする要素。近隣に大型事業所がなく、ファミリー層の多い流山市周辺は、人手を確保しやすい条件がそろう。

3棟以降に懸念


 大和ハウスの芳井敬一社長は「流山は子育て世代支援に積極的」とし、同市が全国屈指の人口流入数を誇るのは、子育て世代が働きやすい環境を整えてきた結果だと指摘する。

 一方、米不動産サービス大手CBREの高橋加寿子リサーチシニアディレクターは「最初はパートタイマーを集めやすいが、3棟目以降では、どうだろうか」とも懸念する。

 日本GLPの帖佐義之社長は「過去5年で8%人口が伸び、立地は優位だ。ただ慢性的な人手不足(の対策)に取り組まなければならない」と話す。施設内に提携する人材派遣会社の事務所を設置。作業量の季節変動に対応し、作業者を入居社間で融通して平準化を図ることも想定する。

 両社とも施設内に保育所を設置しており、大和ハウスは“職育近接”を打ち出す。資本参加した保育施設運営会社ママスクエア(東京都港区)はオフィス併設託児所で実績を重ね、子育て世代から評価が高い。入居社がママスクエアの保育所を訴求して採用活動を展開すると、求人効果は絶大だったという。

日刊工業新聞2018年4月10日

日刊工業新聞 記者

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04月10日
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 物流施設の魅力的な労働環境としてコンビニやカフェテリア、バス運行などの整備は、今や標準的なものとなりつつある。今後は、“もう一工夫”で差が生まれそうだ。ただ、将来的に物流施設に各種ロボットの導入が進めば、労働力確保の悩みも解消に近づく可能性がある。
(日刊工業新聞社・小林広幸)

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