新社長に聞く、安定から攻めへ転じる三菱電機の成長軸とは?

2020年度に売上高5兆円へ

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取材に応じる杉山武史社長
 三菱電機が攻めの姿勢を打ち出している。杉山武史社長は4日に日刊工業新聞社の取材に応じ、「バランスを崩さない範囲で成長に軸足を移していきたい」と明かした。「安定経営」が代名詞だった同社がどこまで攻められるのか。2020年度までに売上高5兆円、営業利益率8%のハードルに挑む。

 三菱電機は18年3月期に売上高4兆4200億円、営業利益3250億円を見込む。いずれも過去最高になる。営業利益率は7・4%で20年度目標も視界に入る。

 杉山社長は「大きなハードルだが、達成できない数字ではない」と見る。目標達成に向けて「戦略(の大枠)を見直す必要はない」との認識も示した。

 三菱電の業績は企業の設備投資需要に支えられ、サーボシステム(産業機械の制御機器)などFA関連がけん引する。

 20年度目標の達成に不可欠なのが、FAに次ぐ成長性の高い事業の創出だ。自動車機器や空調関連の伸びしろがカギになる。杉山社長は「成長投資を続けて、(重点分野の)収益性を高めていきたい」と述べた。今後の強化分野としては自動運転を挙げた。

 ソフトウエアと機器などを組みあわせた製品やサービスの展開も課題だ。「事業部門が強いのが当社の特徴だが、強みを失わずに組織横断的な取り組みを始めたい」と体制変革を進める。

 三菱電は不採算事業にいち早く見切りをつけ、収益性重視にかじを切ったことが奏功し、安定的に利益を出してきた。日本の重電業界では日立製作所と東芝が双璧だったが、東芝の経営危機もあり、売上高では東芝も射程に収める。

日刊工業新聞2018年4月5日

COMMENT

栗下直也
デジタルメディア局
編集委員

 三菱電機はバランスを重視した「手堅い優等生」のイメージも強い。杉山社長は「手堅い会社であることを変える必要はないが、従来の枠とは違った土壌を育てていく必要がある。そのためにはM&A(合併・買収)も一つの手段」と語る。新たな風を吹き込めるか。攻めの経営が注目される。

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