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ドローン荷物輸送解禁でビジネスチャンスを掴め

ドローンネット、操縦士紹介サービスなど産業向けに軸足
ドローン荷物輸送解禁でビジネスチャンスを掴め

2021年度にサービス会員3万件を目指す

 ドローンネット(東京都千代田区)は、2018年度から、産業・ビジネス向けのドローン事業を本格化させる。17年度は格闘技試合の撮影など娯楽向けが中心だったが、離島・山間部のドローン荷物輸送が18年夏に解禁される見込みなど「規制緩和でドローン市場が急速に広がる」(野尻孝執行役員)と見て、産業向けに軸足を移す。ドローンサービス利用の「スカイビジネス」会員募集を開始、21年度に計3万件の登録を目指す。

 スカイビジネスは会員制で、月会費は7980円(消費税込み)。登録するとドローン空撮映像売買の「スカイストック」に参加できるほか、ドローン操縦士に業務を頼みたいときのマッチングシステム「スカイクラウド」が利用できる。遠距離現場に行かなくてもドローンを通じて現場映像が見られる「ドローンスコープ」サービスも予定する。

 ドローンスコープサービスではドローン業務の依頼者がわざわざ行かなくても、現場にいるドローン操縦士と同じ映像を見ながらコミュニケーションできるため、東京本社から九州の建築現場をリアルタイムで指揮監督したり、四国に住む祖父母へ東京にいる孫の運動会風景を生中継で送ったりするなど、さまざまな利用法が考えられる。

 スカイストックは旅行会社が国内旅行名所をビデオで紹介したり企業が自社の商品を売り込みたいときに海や鳥の映像をイメージビデオで流したりするといった利用を想定する。地方自治体や旅館が観光地のPR向けに、ドローン空撮映像を購入するような使い方も有効という。
日刊工業新聞2018年4年6日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
ドローン市場は全世界で年間15兆円以上といわれ、規制緩和とアイデアビジネスで20年代は同数十兆円に膨らむとの予測もある。ただ、日本でのドローンの規制緩和は、外国の速度に比べると遅い。上空を飛ばすときに国土交通省の許可をいちいち取らなければならないほか、都市上空を飛ぶ場合に住民プライバシーや安全対策をどう確保するかなどの問題が山積している。規制緩和が進めば、ドローンネットの事業拡大にもつながる。 (日刊工業新聞編集委員・嶋田歩)

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