介護業界の離職率を下げる秘策はICT?
SOMPOホールディングスがスタッフ負荷軽減へデータ活用
SOMPOホールディングスが介護事業の情報通信技術(ICT)化を進めている。グループが運営する施設に浴室センサーと居室見守りセンサーを導入して運用を始めたほか、2018年度中に2500台のスマートフォンを配備して、介護記録の電子化を拡大する。介護スタッフの負荷軽減とともに、利用者へのサービスの質向上につなげる。
SOMPOHDはグループで中価格帯の老人ホーム「ラヴィーレ」と低・中価格帯の「そんぽの家」を手がける。
「ラヴィーレ」全116施設に浴室センサーと居室見守りセンサーを導入した。浴室での転倒や溺れを検知しナースコールで知らせたり、ベッド下やドアなど6カ所の居室センサーで室内の温度や利用者の心拍などを総合的に把握する。「そんぽの家」では「iPhone(アイフォーン)」2500台を配備し、紙ベースの介護実施記録を電子化する。
デジタル化はスタッフの負荷軽減が目的だ。センサーからのデータでサービスを“見える化”するとともに、データを連携しビッグデータ(大量データ)として活用することで業務改善につなげる。
利用者にもメリットがある。通常、利用者が自立で入浴する際にはスタッフが見守るが、センサーに置き換えることで「安全を確保しつつ、利用者にくつろぎや安心感を感じてもらえる」(SOMPOケアIT戦略部)。
介護業界では業務の多忙さからスタッフの離職率の高さが課題だ。入浴介助は食事や排せつとともに中心的業務であり、介護記録など間接業務にも多くの時間が割かれる。生産性向上は不可欠だ。
ただ、デジタル化は単純な省力化が目的ではない。「ケアに携わる時間を増やすなど『ヒト』にしかできないサービスに傾注する」(同)のが狙いだ。
SOMPOHDは15年にワタミから介護事業を買収するなど事業を強化しており、事業売上高の約1%、年間十数億円を介護のICT化に投資している。
「技術が進歩する中、介護にも新たなソリューションを採用する必要がある」(同)と強調する。排尿センサーや睡眠センサーは導入済みで、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)や介護リフト・パワースーツも実証中だ。
同社はミッションに「効率的で高齢者の尊厳を確保した、より安心・安全な介護サービス」を掲げる。自立支援など「利用者の能力を最大限に引き出す」(同)ことが前提だ。介護のデジタル化はその一助となる。
SOMPOHDはグループで中価格帯の老人ホーム「ラヴィーレ」と低・中価格帯の「そんぽの家」を手がける。
「ラヴィーレ」全116施設に浴室センサーと居室見守りセンサーを導入した。浴室での転倒や溺れを検知しナースコールで知らせたり、ベッド下やドアなど6カ所の居室センサーで室内の温度や利用者の心拍などを総合的に把握する。「そんぽの家」では「iPhone(アイフォーン)」2500台を配備し、紙ベースの介護実施記録を電子化する。
デジタル化はスタッフの負荷軽減が目的だ。センサーからのデータでサービスを“見える化”するとともに、データを連携しビッグデータ(大量データ)として活用することで業務改善につなげる。
利用者にもメリットがある。通常、利用者が自立で入浴する際にはスタッフが見守るが、センサーに置き換えることで「安全を確保しつつ、利用者にくつろぎや安心感を感じてもらえる」(SOMPOケアIT戦略部)。
介護業界では業務の多忙さからスタッフの離職率の高さが課題だ。入浴介助は食事や排せつとともに中心的業務であり、介護記録など間接業務にも多くの時間が割かれる。生産性向上は不可欠だ。
ただ、デジタル化は単純な省力化が目的ではない。「ケアに携わる時間を増やすなど『ヒト』にしかできないサービスに傾注する」(同)のが狙いだ。
SOMPOHDは15年にワタミから介護事業を買収するなど事業を強化しており、事業売上高の約1%、年間十数億円を介護のICT化に投資している。
「技術が進歩する中、介護にも新たなソリューションを採用する必要がある」(同)と強調する。排尿センサーや睡眠センサーは導入済みで、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)や介護リフト・パワースーツも実証中だ。
同社はミッションに「効率的で高齢者の尊厳を確保した、より安心・安全な介護サービス」を掲げる。自立支援など「利用者の能力を最大限に引き出す」(同)ことが前提だ。介護のデジタル化はその一助となる。
日刊工業新聞2018年4月5日