「アマゾンエコー」が家電量販店にやってくる!
AIスピーカーの販売競争激化は必死
アマゾンジャパン(東京都目黒区、ジャスパー・チャン社長)は人工知能(AI)を搭載したスピーカー「アマゾンエコー」の一般販売を30日に始めた。電子商取引(EC)サイト「アマゾン」で予約受け付けを始めたほか、全国の家電量販店でも4月3日に発売する。AIスピーカー市場は米グーグルやLINEが相次いで参入しており、販売競争が激化している。
対話型AI「アレクサ」を搭載した「アマゾンエコー」や、小型の「エコー・ドット」などの一般販売を始める。ECサイト「アマゾン」のほかに、エディオンやケーズデンキ、ジョーシンなど全国の家電量販店1000店舗以上で販売する。また、東京都世田谷区の蔦屋家電では、「アマゾンエコー」の体験コーナーを開設した。これまでは招待制で販売していた。
「アマゾンエコー」は話しかけるだけで音楽を再生したり、ニュースを読み上げたりする。外部企業のサービスなどと連携する仕組みを持っており、600件以上のサービスを利用できる。
日本で人工知能(AI)スピーカー商戦の火ぶたが切られた。米グーグルの日本法人は「グーグルホーム」を発売し、LINEも「ウェーブ」の正式版を投入した。米国を席巻する「アマゾンエコー」も年内に登場する。各社はAIスピーカーの価値向上に向けて外部サービスとの連携を重視しており、合従連衡の動きが顕在化している。またAIスピーカーを通じAIプラットフォーム(基盤)の利用者を増やす考えで、各社はスピーカー販売をテコにAI基盤の覇権を狙う。
AIスピーカーは話しかけるとニュースを読み上げたり、音楽をかけたりできる。スピーカーに搭載されたクラウド型のAI基盤が多様なサービスとひも付き、利用者の声に反応してそれらを呼び出す仕組みだ。
利用できるサービスは、現時点で提供しているものにとどまらず、各社の連携範囲次第で、いかようにも拡大する。グーグル日本法人の徳生裕人製品開発本部長も「AIスピーカーの真の姿は、まだ見えていない」と話す。その量や質はAIスピーカー市場における勝敗を左右する。各社はサービスの拡充に向けて外部企業との連携を重視しており、自社のAI基盤と連携する「仲間集め」は熱を帯びそうだ。
グーグルホームはAI基盤「グーグルアシスタント」を搭載。それと外部のサービスをつなぐ開発者向けツールを近く展開する。すでに楽天やヤフーなどのサービス提供を予定している。また、アマゾンエコーもAI基盤「アレクサ」のサービスを外部の企業が作成できるツールを用意する。アマゾンジャパン(東京都目黒区)はアマゾンエコーの発売前ながら、NTTドコモやクックパッド、三菱UFJフィナンシャル・グループなど多様な企業のサービスと連携する方針を明かす。
一方、LINEは日本市場にいち早く投入したが、グローバルでは後発だ。舛田淳LINE取締役も「我々は挑戦者」と認める。このため外部企業と連携しつつ、自社の対話アプリケーション「LINE」を操作できる独自機能に活路を見いだす。舛田取締役は「LINE利用者が使いやすい多様な機能を考えていく」と強調。国内約7000万人のLINE利用者の取り込みを急ぐ。
AIスピーカーの価値向上に力を注ぐ3社だが、真の狙いは端末販売による利益の獲得ではなく、AI基盤の覇権だ。
AIスピーカーを“入り口”に自社のAI基盤の顧客を増やせば、プラットフォーマーとして多様な事業機会が得られる。自社サービスの提供はその一つだ。LINEは対話アプリ「LINE」を入り口に多様なサービスを提供する成長戦略を掲げており、AIスピーカーをその新たな入り口と位置付ける。一方のグーグルは検索エンジン、アマゾンはネット通販の利用を拡大する狙いが透けて見える。
また、各社はAI基盤を自社のAIスピーカーだけでなく、外部企業の多様な端末にも導入を進める。AI基盤の入り口は今後増えるため、AIスピーカー同士の戦いはAI基盤の覇権争いの始まりにすぎない。
対話型AI「アレクサ」を搭載した「アマゾンエコー」や、小型の「エコー・ドット」などの一般販売を始める。ECサイト「アマゾン」のほかに、エディオンやケーズデンキ、ジョーシンなど全国の家電量販店1000店舗以上で販売する。また、東京都世田谷区の蔦屋家電では、「アマゾンエコー」の体験コーナーを開設した。これまでは招待制で販売していた。
「アマゾンエコー」は話しかけるだけで音楽を再生したり、ニュースを読み上げたりする。外部企業のサービスなどと連携する仕組みを持っており、600件以上のサービスを利用できる。
日刊工業新聞2018年3月30日
グーグルやLINEとプラットフォーム覇権争い
日本で人工知能(AI)スピーカー商戦の火ぶたが切られた。米グーグルの日本法人は「グーグルホーム」を発売し、LINEも「ウェーブ」の正式版を投入した。米国を席巻する「アマゾンエコー」も年内に登場する。各社はAIスピーカーの価値向上に向けて外部サービスとの連携を重視しており、合従連衡の動きが顕在化している。またAIスピーカーを通じAIプラットフォーム(基盤)の利用者を増やす考えで、各社はスピーカー販売をテコにAI基盤の覇権を狙う。
AIスピーカーは話しかけるとニュースを読み上げたり、音楽をかけたりできる。スピーカーに搭載されたクラウド型のAI基盤が多様なサービスとひも付き、利用者の声に反応してそれらを呼び出す仕組みだ。
利用できるサービスは、現時点で提供しているものにとどまらず、各社の連携範囲次第で、いかようにも拡大する。グーグル日本法人の徳生裕人製品開発本部長も「AIスピーカーの真の姿は、まだ見えていない」と話す。その量や質はAIスピーカー市場における勝敗を左右する。各社はサービスの拡充に向けて外部企業との連携を重視しており、自社のAI基盤と連携する「仲間集め」は熱を帯びそうだ。
グーグルホームはAI基盤「グーグルアシスタント」を搭載。それと外部のサービスをつなぐ開発者向けツールを近く展開する。すでに楽天やヤフーなどのサービス提供を予定している。また、アマゾンエコーもAI基盤「アレクサ」のサービスを外部の企業が作成できるツールを用意する。アマゾンジャパン(東京都目黒区)はアマゾンエコーの発売前ながら、NTTドコモやクックパッド、三菱UFJフィナンシャル・グループなど多様な企業のサービスと連携する方針を明かす。
一方、LINEは日本市場にいち早く投入したが、グローバルでは後発だ。舛田淳LINE取締役も「我々は挑戦者」と認める。このため外部企業と連携しつつ、自社の対話アプリケーション「LINE」を操作できる独自機能に活路を見いだす。舛田取締役は「LINE利用者が使いやすい多様な機能を考えていく」と強調。国内約7000万人のLINE利用者の取り込みを急ぐ。
AIスピーカーの価値向上に力を注ぐ3社だが、真の狙いは端末販売による利益の獲得ではなく、AI基盤の覇権だ。
AIスピーカーを“入り口”に自社のAI基盤の顧客を増やせば、プラットフォーマーとして多様な事業機会が得られる。自社サービスの提供はその一つだ。LINEは対話アプリ「LINE」を入り口に多様なサービスを提供する成長戦略を掲げており、AIスピーカーをその新たな入り口と位置付ける。一方のグーグルは検索エンジン、アマゾンはネット通販の利用を拡大する狙いが透けて見える。
また、各社はAI基盤を自社のAIスピーカーだけでなく、外部企業の多様な端末にも導入を進める。AI基盤の入り口は今後増えるため、AIスピーカー同士の戦いはAI基盤の覇権争いの始まりにすぎない。
日刊工業新聞2017年10月13日