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リケン、女性専用のピストンリング加工ライン設置へ 

23年めど、100人規模で実施。採用難に対応
リケン、女性専用のピストンリング加工ライン設置へ 

短編映画「驚異の輪ピストンリング」(製作1972年)ダイジェスト版より

 リケンは今夏にも柏崎事業所(新潟県柏崎市)で女性従業員だけを配置したピストンリング加工ラインを設ける。残業時間を極力なくすなど女性の働きやすさに配慮する。女性のラインオペレーターを現状で数人規模から23年をめどに100人規模にする考え。企業業績の堅調に伴い採用競争が激しくなっており、女性従業員が働きやすい環境を築くことで人材確保につなげる。

 リケンによると、女性だけのピストンリング生産ラインは1960年代以来だという。4月に採用する数人を配置し、定着を図る。ラインは2直体制(需要により一部は3直体制)で稼働する。

 今後も定期的な採用を続けて女性が携わるラインの数を増やし、柏崎事業所だけでなく、熊谷事業所(埼玉県熊谷市)にも女性専用ラインを設ける予定。ベテランオペレーターが若手を指導して仕事の質の向上が図れる体制に仕上げたい考え。

 厚生労働省によると、1月の有効求人倍率(季節調整値)は1・59倍で、求職者の数も1・2%減となり、求人倍率は高止まりしている。

 優秀な人材を採用しにくい状態となっている上、少子高齢化により労働力人口の減少が続く。こうした観点からも女性の活躍が求められており、リケンは「女性専用ラインを構築することで、(工場の現場などでも)性別に関係なくどんな人も存分に仕事できる環境を整えたい」としている。
日刊工業新聞2018年3月26日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
自動車業界などではかなり前から女性が作業しやすい生産ラインに取り組んできたが、完全に専用とは面白い取り組み。60年代の集団就職を描いた朝ドラ「ひよっこ」を思い出す。21世紀版の「女性の工場」はどんなものになるのだうか。

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