早大・慶大、図書館システム共同運用。ベンダー選びにみる国際標準

イスラエル社製、世界大学ランキングトップ20大学の多くが利用

 早稲田大学と慶応義塾大学は、図書館システムの共同運用を2019年8月にも始める。こうした取り組みは国内で初めて。図書検索に必須の書名や著者名などの「書誌情報」を両大のみが世界標準で整備しており、海外ベンダーのクラウドシステムの共同調達を実現した。システムや書誌情報入力のコストも大幅に減らせる。延べ1000万冊超の両大の書籍や、電子ジャーナルを一度に検索でき、研究力強化を後押しする。

 両大が8日発表した。両大の図書館は86年から協力している。和書に強い早大、洋書や医学書に強い慶大という補完性で、学内にはない図書の4割程度を貸借し合っている。

 図書館における書誌情報は、各言語の洋書の表記統一など厳密にする必要があり、登録の手間がかかる。国内では国立情報学研究所の独自仕様による登録データを各大学が活用するのが一般的だ。

 一方で両大は国際化を見据え、世界標準の仕様で別ベンダーのサーバ型システムを使っていた。

 今回、イスラエルのエクス・リブリス製のシステムを二つ採用した。書籍や電子ジャーナル、データベースなど発注から配架まで、図書館業務を管理するクラウド型のシステムの「アルマ」は、33カ国で1000機関が採用する。また両大とも新規受け入れ図書が年4万件程度あり、書誌情報登録のコストが大きい。しかし約半分が重複するため、共同化でコストを削減できる。

日刊工業新聞2018年3月9日

山本 佳世子

山本 佳世子
03月09日
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今回のシステム選定にあたり、両大学は数十ページに及ぶ英語での仕様書を用意し、ベンダー8社に声をかけた。その結果、国内6社は世界標準に対応できないことから辞退。両大学それぞれが導入していたシステムの海外2社が応札。そのうえで今回のベンダーを選んだ。世界大学ランキングトップ20大学の多くが同社を利用しているという。大学における国際標準を考えるうえで、このような切り口もあるのだと気づかされた。

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