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モノづくりも「シェアリング」、日本特殊陶業が仲介サービス

生産設備などネット上で仲介
モノづくりも「シェアリング」、日本特殊陶業が仲介サービス

日本特殊陶業公式動画より

 日本特殊陶業はモノづくりのシェアリングサービスを始める。生産設備や計測機器などの貸し借りをインターネット上で仲介する新会社「シェアリングファクトリー」(SF)を3月中に設立する。5月に営業を始め、工場や中古機械などの会員間の売買も支援する。2019年から技術や経営の指導者などの紹介、仕事の受発注の仲介も手がける。モノづくりのシェアリングサービスには数百億円の潜在需要があると見て、他社に先駆けて開拓する。

 日本特殊陶業は4輪・2輪車向けエンジン点火プラグと排ガスセンサーで売上高の8割以上を占め、非自動車事業の育成が課題。一方、工具事業を長年展開し、部品加工などのモノづくりの現場には豊富な経験知とネットワークがある。SFは新規事業の社内公募案件。社内で17年5月にテスト稼働し、専用サイトで問い合わせや会員登録希望に対応していた。

 新会社は資本金500万円。日本特殊陶業が全額を出資する。30―40代の提案者グループの3人がスタッフとして社長や取締役を兼ねる。登記上の本社は日本特殊陶業の本社内だが、事務所は東京都港区に置く。売上高の目標は明らかにしていない。

 シェアリングサービスでは、所有する設備の稼働率を高めたい貸し手と、必要な設備を必要な時にだけ利用したい借り手をマッチングする。貸し手が貸し出し可能なアイテムを登録し、借り手が必要なアイテムを検索して予約する。SFは借り手からレンタル料を受け取って、貸し手に報酬を支払う。

 扱うのは工作機械や成形機、工業炉などの生産設備から計測・分析装置、治工具、ゲージまでさまざま。賃借料は1週間1000円(送料別)のゲージもあるなど、安めに設定した。遊休資産の売買は登録会員同士の直接取引とし、手数料などは受け取らない。

 大手メーカーの海外展開が進む中、中小企業を中心に国内製造業では先行きの不透明感から投資判断が難しい。一方で信頼性や納期の要求は厳しさを増し、高性能な設備の必要性は高まっている。今後は人工知能(AI)を活用し、マッチングの精度も上げるとみられる。
                        
日刊工業新聞2018年2月28日
松井里奈
松井里奈 Matsui Rina 総合事業局イベント事業部 副部長
クルマや住居などに続いて、モノづくりの世界にもシェアリングサービスの波が広まっていくのだろうか。

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