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引火点が30度C以上高いリチウムイオン電池

日立と東北大が試作、安全性向上や小型化につながる
引火点が30度C以上高いリチウムイオン電池

試作したリチウムイオン二次電池

 日立製作所と東北大学多元物質科学研究所の本間格教授らの研究グループは、従来の電解質と比べて引火点が30度C以上高い状態で、繰り返し使用できるリチウムイオン二次電池(LIB)の試作に成功した。非固体型の電解質を用いることで実現した。最大で100度Cの引火点でも特性を維持できた。

 一般的なLIBは電解質の材料に、引火点が20度C以下の有機電解液などを用いている。このため、異常発生時に発火する恐れがあった。現行のLIBやLIBシステムには発火を抑制する補強材や冷却機構が備わっているが、これらが製品の小型化などを妨げる要因となっていた。

 試作時の実験では、1時間当たりの容量が100ワットのラミネート型電池を用いて充電や放電などの電池特性を確認した。また、従来のLIBでは発火してしまうクギ刺し試験を実施し、試作したLIBの不燃性を実証した。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
研究グループでは将来の製品化を検討しているという。LIBの安全性の向上につながるほか、車載向けでは容量やエネルギー密度の改善が期待できる。また冷却機構が不要になるため、民生向けでは小型化なども可能になる。

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