「未来のホンダ」はベンチャーとの協業にあり

自ら変わっていくことが最終的なゴール

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大転換期だと認識するホンダの八郷社長
 ホンダがベンチャー企業との協業を加速している。2015年に始めた協業推進活動「ホンダ・エクセラレーター」を従来の米国とイスラエルに加え、17年末には日本とドイツにも拡大。今後は中国にも展開する。ホンダの持つ車作りのノウハウとベンチャー企業ならではの革新性を融和させ、未来のホンダを支える先進的な車やサービスの開発につなげる。

 「スピード感を持って世の中を変えるチャレンジをするベンチャーと組み、顧客にいち早く新しい価値を提供する」。米子会社のホンダ・イノベーションズの杉本直樹最高経営責任者(CEO)は、同社で実施しているホンダ・エクセラレーターの意義をこう強調する。

 同活動は、ホンダが革新的なアイデアを持つベンチャー企業に資金援助し、テスト用車両の提供、事業化に向けたアドバイスなどをするプログラム。人工知能(AI)やロボット、コネクテッドカー(つながる車)、車載アプリケーションなどの特定領域を対象に、3次元ディスプレーや光学式マイク技術を持つ企業などと開発を進めている。

 活動の萌芽(ほうが)は見え始めている。運転者向けスマートフォン(スマホ)アプリを開発する米ドライブモード。同社のアプリは車とスマホを接続することで、電話やナビゲーション設定、音楽再生などスマホ内のアプリを運転者が音声で操作できる。指で操作した表示画面を音声で知らせてくれるため、運転中でも画面を見ずに安全に音楽やメッセージのやりとりを楽しめる。

 ホンダとは、エクセラレーター活動を通じて15年6月に協業を開始。実車を使った実証などを重ねて実用化し、今では180カ国以上で利用されている。

 ホンダは現在、同アプリに対応したステアリングスイッチや、スマホ画面にリアカメラの映像を映す機能を開発中だ。スマホを介してさまざまな機能を車に付与できるアプリとして、新興国向け車両への採用を検討する。

 杉本CEOは「我々が協業を通じて学び、自ら変わっていくことが最終的なゴール」と活動の真の狙いを話す。単なる新技術の獲得に止まらず、急激に変化するニーズに対応した製品開発のノウハウやビジネスモデルまで追求する構えだ。

日刊工業新聞2018年2月15日

COMMENT

自動運転やシェアリングなどの次世代技術の開発を巡り、自動車メーカーとベンチャー企業が連携する動きが世界的に広がっている。人々の車に対するニーズもさらに変化することが予想される。 (日刊工業新聞第一産業部・土井俊)

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