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タイガー魔法瓶、中国での数万本単位の模造品を防ぐスマホ活用システム

国内では顧客情報管理やマーケティングに応用
タイガー魔法瓶、中国での数万本単位の模造品を防ぐスマホ活用システム

商品の外箱を使った真贋判定の仕組み(中国で導入済みのシール)

 タイガー魔法瓶(大阪府門真市、菊池嘉聡社長、06・6906・2114)は、スマートフォンと2次元コードを活用した顧客管理システムを2018年度内に開発し自社で活用する。商品外箱の2次元コードを購入客がスマホで読み取ると、顧客情報や商品情報などをやり取りし管理する。商品のトレーサビリティー(履歴管理)やマーケティングにも役立てる。顧客との接点を拡大しつつ、収集データを分析し販売拡大にも結び付ける。

 2次元コードを使ってステンレスボトルの模倣品を防ぐ仕組みを1月に中国市場に導入しており、この仕組みをベースにシステムを開発する。新システムは炊飯器やホームベーカリー、ステンレスボトルなどの顧客管理で活用する計画だ。

 商品の購入客が外箱に記載された2次元コードシールをスマホで読み取ると、同社の製品サイトに接続され、必要情報を登録する仕組み。同サイトでは、お薦めの商品紹介や、新サービスの提供を想定している。

 トレーサビリティーにも使う。工場や物流拠点、販売店、購入客など各過程で2次元コードを読み取り、商品購入までの一連の履歴を同社システムに蓄積して商品管理を徹底する。蓄積データを分析することで、地域や店舗で異なる購入状況を把握し、マーケティングに生かす。

 同社はこれまで、顧客・商品管理が手薄だった。こうした中、同社製ステンレスボトルの模倣品が電子商取引(EC)サイトを通じ、中国で年間数万本流通していることが発覚。この対策として、購入客自身がスマホで真贋(しんがん)を判定できる仕組みを導入した。この開発過程で顧客管理へ応用できることにも着目していたという。
日刊工業新聞2018年2月16日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
スマホでQRコードを読み取って情報を登録するのは顧客にとってはなかなかの手間だと思うのですが、動機づけになるようなキャンペーンなどが展開されるのでしょうか。

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