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シルク・ドゥ・ソレイユ 『ダイハツ キュリオス』東京公演開幕

温故知新、芸術性高い世界最高峰のエンターテインメント集団
シルク・ドゥ・ソレイユ 『ダイハツ キュリオス』東京公演開幕

Photos: Martin Girard, Pierre Manning / shootstudio.ca © 2014 Cirque du Soleil

『ダイハツ キュリオス』が2018年2月7日、東京にて開幕した。7月26日から大阪、11月22日から名古屋、そして福岡・仙台と日本を巡演する。
 シルク・ドゥ・ソレイユがカナダ・ケベックで誕生してから創設30周年記念公演という節目の作品で、日本では1992年『ファシナシオン』から始まる通算14作品目にあたる。

 シルク・ドゥ・ソレイユ(以下シルク)が何か分からない、CMはよく見るけど――という方に簡単に言うと、シルクは「芸術性の高いサーカス」だ。
ただ有名なサーカス団は世界各国、随所にある。だがシルクが「サーカス団の1つ」としてではなく、「シルク・ドゥ・ソレイユ」という固有名詞としてその存在を確立しているのは、パフォーマンスはもちろんのこと、生演奏、証明、舞台芸術、衣装、振り付けに至る全てで世界観を表現しているからだ。

カオス・シンクロ1900(オープニング)


 今回の「キュリオス」でも、舞台後ろの演奏家に見とれていると、メーンのパフォーマンスを見逃してしまう恐れがある。スポットライトの当たらない舞台隅のパフォーマーのパントマイムや仕草の美しさに感心していると、メーンのパフォーマンスに対する拍手ではっと我に返る恐れがある。魅力ある個性が、観客の目を自分にひきつけようと輝いている。
舞台全体が「キュリオス」を表現しているのだ。

 だが新しいばかりではない。サーカスらしさがしっかりと抑えられており、バランシング・オン・チェア、ローラ・ボーラといったバランス系、またヨーヨーなど「子どもの頃に見たサーカスでもやってた」と思うような内容も充実。またピエロ(的ポジション)のパフォーマーがやはりコケティッシュでありながらも、シンボルとしてあり続ける姿も「従来のサーカスらしいサーカスの構成」と言える。

ローラ・ボーラ


 サーカスとしての矜持を保ちつつ、独自のスタイルを確立したシルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ キュリオス』。その公演を見れば世代を超え、国境を越え、高く評価されているのが理解できるだろう。

 会場は「ビッグトップ」という特設開場――もちろんサーカスらしくテントなので、その外観や雰囲気も楽しんでもらいたい。

メトロガイド
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
「シアター・オブ・ハンズ」という、アーティストが指だけを使ってストーリーを伝える演目があります。指でストーリーを作り上げ、そのリアルタイムの映像がスクリーンの役割を果たす熱気球に投影される…というものなんですが、ぶっちゃけ席によってはリアルなパフォーマンスは一切見えません!! スクリーンの映像のみ!(パフォーマーの背中だけ見えてる、とか)。 派手な演目はもちろん凄いのですが、そんな「何やってんだろ」とも思われかねない演目にも魅力があると思います。

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