工作機械大手、DMG森精機の社長が気になった読売新聞の記事

電柱の地中化、世界に遅れとる。同じことが工場でも

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「5軸化、世界の潮流」と森雅彦社長
 DMG森精機は5軸加工機の国内販売を強化する。その背景にあるのは、世界的な5軸化潮流への日本の遅れだ。同社が取り組む先進的な働き方改革の現状と合わせて、森雅彦社長に聞いた。

 ―世界主要国で活発な設備需要を取り込み、2017年の工作機械の生産台数は1万1000台と高水準でした。
 「18年は1万1500台を計画した。今年は高原プラスアルファといったところだ。前年比で3%増を中心地とし、場合によっては5%増の成長もありそうだ。生産台数で言うと1万1500台が中心地で1万2000台もありそうだ」

 ―国内外の足元の受注状況を教えてください。
 「国内は17年12月に単月の過去最高を記録し、米国は高原状態だ。中国は大型機の受注が続いていて、インフラ関連、繊維機械、印刷機械、一般産業機械、環境関連のほか、鉄道関連も当然いい。インドは顧客が資金調達をしにくい状況なのでファイナンスをよくみながら対応している」

 ―日本の5軸加工機の割合は14%です。40%前後の欧米、アジア、中国に比べかなり見劣りします。
 「日本はこのままでは“やばい”。上流のデジタル化が遅れているほか、工程の複合化、計測の技術も遅れている。大量にモノを作ってきたため工程分割に慣れているからだ。3次元測定器の普及は欧米の3分の1もないのでは。今後、特に半導体、航空機部品、医療部品が増えると、5軸加工機でフルに削り出し、一個一個を精密に計測しなければならなくなる。日本はすでに取り残されている。ものすごい危機感がある」

 ―一般に欧米に比べて日本の生産性の低さが指摘されます。
 「各国の年間労働時間はドイツが1650時間で休みすぎ、イタリアは1600時間、米国が1900時間ほどだ。日本はかつて2200時間だったが、2000時間まで減らした。最終的には1900時間ほどで今の売上高を目指したい。給与は維持もしくは賞与でもう少し上げる。労働時間当たりの生産性を上げれば利益がでてくる。販売サービス会社はお客さま合わせて働き、代休をしっかりとる社風になりつつある」
(聞き手=六笠友和)

日刊工業新聞2018年1月29日

COMMENT

六笠友和
編集局経済部
編集委員

最近、森社長が気になった報道の一つが読売新聞の、電柱の地中化を進める制度整備に関する記事という。東京、大阪の地中化率はロンドン、ソウル、ジャカルタに劣る。日本はすっかり取り残されてしまったが、「同じことが工場でも起きている」(森社長)。それが5軸化だ。製造業は変革期。機械ユーザーはこれまで以上に世界の潮流に敏感になるべきだろう。

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