メルセデスが新型「Aクラス」に独自の音声アシスタント搭載

呼びかけは「ヘイ、メルセデス」、アレクサ・グーグルなどIT大手のブランド回避

 「ヘイ、メルセデス」。ドイツのメルセデス・ベンツは2日、こうした呼びかけで起動する音声アシスタントや機械学習による人工知能(AI)を備えた新型コンパクトカー「Aクラス」をアムステルダムで発表した。

 世界の自動車メーカー各社が音声アシスタント用に米アマゾンの「アレクサ」や米グーグルの「グーグル・アシスタント」を相次ぎ採用する中、同社では新型車に独自の音声認識機能を搭載。差別化を図るとともに、IT大手の音声アシスタント名ではなく、「メルセデス」という自社ブランドでの起動フレーズにこだわった格好だ。

 新型Aクラスでは、新型エンジン(1.4リットル、2.0リットル、1.5リットル=ディーゼル)を搭載し、外観、内装ともに一新。Aクラスとしては初めて、高速道路などでの運転支援機能も備える。

 音声アシスタントなどの機能を提供するのが、新しいインフォテインメントシステムの「MBUX(メルセデスベンツ・ユーザーエクスペリエンス)」。運転席正面のインストルメント・クラスター(計器類)用と音楽などのメディア用に7インチディスプレーを計2つ備える。大型の10.25インチディスプレーもオプションで用意した。

 このMBUXに「リンガトロニック(LINGUATRONIC)」と名付けた自然言語による音声認識機能を組み込み、ナビゲーションシステムへの目的地の入力から、電話、音楽の選曲・再生、メッセージの読み書き、天気予報などのほか、カーエアコン、照明といった車内機器の操作を言葉で行えるようにした。

 音声アシスタントは冒頭の「ヘイ、メルセデス」という呼びかけに加え、ハンドルに付けられたボタンでも起動可能。さらに、「温度を24度に」と言った直接的な音声コマンドだけでなく、システムが対話内容を理解し、「寒い」というような言い回しでも温度調整が行える。

 通常は車載システムとクラウドの両方でデータ処理を行い、どちらの結果をユーザーに返した方がより適切かを評価。通信事情などでインターネット接続ができない場合でも、車載システムで返答や機器操作などの対応を行う。ロイターによれば、米ニュアンス・コミュニケーションズの音声アシスタントを採用しているという。

また、機械学習ではユーザーの声や喋り方のほか、よく通るルートや目的地、運転中のラジオや電話と言った運転者の行動パターンを学習し、先回りして目的地のルートや電話番号を提示してくれる。

2018年2月3日付日刊工業新聞【電子版】
メルセデスベンツの発表

藤元 正

藤元 正
02月03日
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ちなみに音声アシスタントの名前は「アレクサ」もアップルの「シリ(Siri)」も、マイクロソフトの「コルタナ」もみな女性。メルセデス・ベンツのサイトによれば、「メルセデス」のブランドの由来はダイムラー社の黎明期に遡るとか。オーストリアの大富豪エミール・イエリネックが高性能レーシングカーの製作を同社に依頼し、1900年から1901年の間に製作された最初のモデルが「メルセデス35PS」。イエリネックは「好きになってもらい愛してもらうには、クルマは女性の名前でなければならない」と主張し、自分の愛娘の名前をつけたのが始まり。つまり、音声アシスタントの名前としてもメルセデスは打ってつけというわけですね。

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