トヨタ系列サプライヤー14社、業績に異変はあったの?
4―12月期、中国がけん引役に
トヨタ自動車グループ8社が2日発表した2017年4-12月期連結決算は全社が増収、6社が増益だった。国内や中国、アジアでの販売が好調で、日系自動車メーカーが得意なセダン市場が苦戦する北米の収益圧迫要因などを補った。為替の円安も追い風となった。デンソーやアイシン精機は売上高と各利益段階で、豊田合成は売上高で過去最高を更新した。
デンソーは国内で売上高2兆2317億円(前年同期比12.6%増)、営業利益1611億円(同50.8%増)と堅調に推移した。軽自動車向けの予防安全装備の装着率向上などが寄与した。世界の事業地域のすべてが増収で、営業利益は北米は312億円(同28.3%減)と減益で苦戦したがそのほかの事業地域でカバーした。松井靖常務役員は「トヨタグループ以外への拡販があった」と手応えを述べる。
豊田自動織機はカーエアコン用コンプレッサーが引き続き好調で2473万台(同44万台増)を販売し、「日本や中国で台数を伸ばしている」(河井康司常務役員)という。
アイシン精機は自動変速機(AT)などのドライブトレーン関連、ボディー関連など自動車部品のすべての事業の売上高が増えた。ただ、北米はグローバル設計導入による費用増やトヨタの生産量減で減益のため「体質強化を進めていく」(川崎有恒常務役員)方針だ。
ジェイテクトは世界首位のステアリングの売上高が5168億円(前年同期比9.7%増)に伸びた。愛知製鋼は鋼材や鍛造部品、電子部品の販売が順調に拡大した。営業減益だったトヨタ紡織は先行投資が増え、豊田合成は発光ダイオード(LED)製品の販売が減少した。
18年3月期連結決算は6社が増収、5社が営業増益を見込む。為替の円安などを踏まえてデンソーやアイシン、トヨタ紡織、豊田合成、愛知製鋼が売上高や営業利益を上方修正し、豊田織機は米国税制改正の影響で当期純利益で150億円を上方修正した。
一方、トヨタ自動車系中堅部品メーカー6社の2017年4―12月期連結決算は全社増収、4社が営業増益だった。減速する北米事業を日本や中国などの伸びで補う構造が続く。18年3月期の営業利益見通しも3社が上方修正した。
東海理化は日本やアジアで売り上げを伸ばした。トヨタ向けに加え、スズキや三菱自動車などにも拡販。一方で製品価格の低下や経費増などが響き、営業減益だった。
フタバ産業は日本や中国の車両生産の増加や合理化などで増収増益。大豊工業も主力の軸受が中国などで好調で売上高、全利益項目とも4―12月期として過去最高。
北米の乗用車市場の減速は各社の収益を圧迫。愛三工業は中国などで燃料ポンプや吸排気部品が堅調に推移して増収増益を確保したが、米州の売上高は新工場を稼働したメキシコを含めても微減。石田智也副社長は「日系車メーカーの乗用車の不振は深刻」とした。
中央発條も日本や中国などで車台用バネや精密バネなどを拡販して増収・営業増益だった。ただ北米は電動化の進展で「ケーブルの需要が減っている」(小出健太取締役常務執行役員)と伸び悩んだ。銅やコバルトなど原材料の高騰も各社の収益圧迫要因となった。
18年3月期連結業績見通しは3社が上方修正した。売上高で過去最高を見込む東海理化の西田裕執行役員は「当初計画比では北米や中国の操業度が上振れする」と述べた。
デンソーは国内で売上高2兆2317億円(前年同期比12.6%増)、営業利益1611億円(同50.8%増)と堅調に推移した。軽自動車向けの予防安全装備の装着率向上などが寄与した。世界の事業地域のすべてが増収で、営業利益は北米は312億円(同28.3%減)と減益で苦戦したがそのほかの事業地域でカバーした。松井靖常務役員は「トヨタグループ以外への拡販があった」と手応えを述べる。
豊田自動織機はカーエアコン用コンプレッサーが引き続き好調で2473万台(同44万台増)を販売し、「日本や中国で台数を伸ばしている」(河井康司常務役員)という。
アイシン精機は自動変速機(AT)などのドライブトレーン関連、ボディー関連など自動車部品のすべての事業の売上高が増えた。ただ、北米はグローバル設計導入による費用増やトヨタの生産量減で減益のため「体質強化を進めていく」(川崎有恒常務役員)方針だ。
ジェイテクトは世界首位のステアリングの売上高が5168億円(前年同期比9.7%増)に伸びた。愛知製鋼は鋼材や鍛造部品、電子部品の販売が順調に拡大した。営業減益だったトヨタ紡織は先行投資が増え、豊田合成は発光ダイオード(LED)製品の販売が減少した。
18年3月期連結決算は6社が増収、5社が営業増益を見込む。為替の円安などを踏まえてデンソーやアイシン、トヨタ紡織、豊田合成、愛知製鋼が売上高や営業利益を上方修正し、豊田織機は米国税制改正の影響で当期純利益で150億円を上方修正した。
一方、トヨタ自動車系中堅部品メーカー6社の2017年4―12月期連結決算は全社増収、4社が営業増益だった。減速する北米事業を日本や中国などの伸びで補う構造が続く。18年3月期の営業利益見通しも3社が上方修正した。
東海理化は日本やアジアで売り上げを伸ばした。トヨタ向けに加え、スズキや三菱自動車などにも拡販。一方で製品価格の低下や経費増などが響き、営業減益だった。
フタバ産業は日本や中国の車両生産の増加や合理化などで増収増益。大豊工業も主力の軸受が中国などで好調で売上高、全利益項目とも4―12月期として過去最高。
北米の乗用車市場の減速は各社の収益を圧迫。愛三工業は中国などで燃料ポンプや吸排気部品が堅調に推移して増収増益を確保したが、米州の売上高は新工場を稼働したメキシコを含めても微減。石田智也副社長は「日系車メーカーの乗用車の不振は深刻」とした。
中央発條も日本や中国などで車台用バネや精密バネなどを拡販して増収・営業増益だった。ただ北米は電動化の進展で「ケーブルの需要が減っている」(小出健太取締役常務執行役員)と伸び悩んだ。銅やコバルトなど原材料の高騰も各社の収益圧迫要因となった。
18年3月期連結業績見通しは3社が上方修正した。売上高で過去最高を見込む東海理化の西田裕執行役員は「当初計画比では北米や中国の操業度が上振れする」と述べた。
日刊工業新聞2018年2月2日/3日