生保の新米営業、AI活用でベテラン級に

コンサルティングの底上げ

 生命保険会社が人工知能(AI)やビッグデータを使った営業の高度化に取り組んでいる。成約可能性が高い「見込み客」の発見や商品の提案タイミングは営業個人の経験やノウハウに頼りがちだったのを、先端テクノロジーを用いることで経験の浅い営業職員でもベテラン同様の提案が可能となる。各社はコンサルティングの底上げ、業務効率化につながると期待を寄せている。

 日本生命保険は3月から保険コンサルティングの高度化にIBMの「ワトソン」を本格導入する。既存顧客の年齢・性別・家族構成・加入内容データのほか、5万人の営業職員の活動利益データをワトソンで分析。保険の加入や見直しが必要な顧客を選定し、個々の営業職員の情報端末に配信する。全職員が適切なタイミングで提案ができることで、コンサル力向上につながる。

 第一生命保険は約1000万件の既契約情報をビッグデータ分析、営業現場にフィードバックし提案活動に役立てている。「営業成果につながる確率は確実に上がっている」(稲垣精二社長)という。今後は社内データだけでなく社外データも活用拡大し、デジタルマーケティングを推進する。

 朝日生命保険は日本IBMが提供するデータ分析システムを導入し、加入意向の高い顧客を予測するシステムを開発した。営業結果をデータ入力し、成約見込み度予測モデルを開発。データ分析することで成約率の向上につながったという。

 生保の営業は高齢化が進んでおり、成績トップの営業職員は高齢層に集中している。中長期的に高齢層の退職が想定されるなか、営業力強化のためには若年層の底上げが必須の課題だ。

日刊工業新聞2018年1月18日

日刊工業新聞 記者

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01月19日
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効率的にコンサル力を向上する手段として、先端テクノロジーの導入例は今後も増えていきそうだ。
(日刊工業新聞経済部・鳥羽田継之)

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