朝ドラ効果に“びっくりぽん”大同生命社長

工藤社長インタビュー「契約獲得で成果。会社に誇りを感じる従業員が増えた」

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工藤社長(左)と『あさが来た』のクランクアップを迎えた主人公「あさ」役の波瑠さん(5日)
 大同生命保険の創業者の一人、広岡浅子を主人公のモデルにしたNHKの朝の連続テレビ小説『あさが来た』が4月2日で最終回を迎える。2015年9月末の開始から約半年間、大同生命では社内外で朝ドラ旋風が吹き荒れた。創業110年以上を誇る老舗生保の現トップは、初代から数えて16代目社長の工藤稔氏。社内外の反響などを聞いた。

 ―就任1年目で創業者を主人公にしたドラマが始まりました。
 「1年目で多忙な時期を過ごす中で、後半からドラマが始まった。自分の代で放送が始まるなんて本当に幸運だと思う。ドラマの人気が高まるにつれ、お客さまから当社への反響も非常に高まった」

 ―実際にどのような追い風が吹いていますか。
 「当社の認知度が高まったことはもちろん、実際の営業現場でも効果が表れた。これまで3回の訪問で獲得できた契約が2回で取れ、10回の営業が半分で成果があがったといった報告が出ている」

 ―社内の反響も高かったと聞きます。
 「従業員の有志が『盛りあげ隊』と名付けた自主組織を作り、社内外の発信に一役買ってくれた。創業の成り立ちを知って、改めて自分の会社に誇りを感じる従業員が増えたと思う。従業員が盛り上がってくれたことは非常にうれしい」

 ―社長自身が広岡浅子のエピソードで印象に残ったこととは。
 「大同生命は広岡家の朝日生命、護国生命、北海生命の3社が合併して発足した。彼女はこの合併交渉を、腹心で京都法政学校(現立命館大)の設立に尽力した中川小十郎氏に託した。合併という重大業務は普通なら自身がやるべきだと思うはず。それを彼女は『この人や』と信頼できる人に任せる度量があった。先見性と人を見る目があったと思う」

 ―創業者の精神で今後も受け継いでいきたいこととは。
 「『経営者は夢を持たなければ』と諭した彼女の晩年の言葉がある。従業員は単に働くためだけでは、いま一歩の努力は難しい。経営者が『これを成し遂げるんや』という夢を語り、共有することが組織の発展につながる。経営者として夢の発信と共有を大事にし続けたい」

【記者の目・一本締めのセリフに】
 女優の波瑠さんが演じる主人公あさの口癖は「びっくりぽん」。ドラマでは驚きを表す言葉だが、大同生命内では少し異なるようだ。工藤社長いわく「当社では懇親会の一本締めのセリフ」と笑顔で話す。直近では、退任する役員の慰労会でも使ったばかり。取材当日もインタビューが終了した時に締めをお願いした。言葉はもちろん「びっくりぽん」。
(聞き手=杉浦武士)

日刊工業新聞2016年3月29日金融面

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

「あさが来た」にどハマりしている。大森脚本には素晴らしい台詞がたくさん出てくるが、特に印象に残ったのは、おじいちゃんが「なんでやと思う人間が世の中を変えていく。誰に口つままれようと、後ろ指さされようと、前を向いて進みみなさい」と子どものあさに向かっていう場面。あとは五代さまが「どんなに働いてても人は皆いずれ死んでしまうし、お金は墓場まで持って行かれへん。それよりも後世に何を残せるかです」とあさにファーストピングインの大切さを話す場面。さぁ、あと5日間の放送を堪能しよう。

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