健康見守る黄色いロボット「Mabu」、日本でどう普及させる?

カタリアヘルスCEOのコーリー・キッド氏「“医師の補助役”に」

 米国のベンチャー企業のカタリアヘルスは心理学やヒューマンインタラクションなどの諸技術を組み合わせた対話型健康管理ロボット「Mabu(マブ)」を開発した。米国では大手製薬企業が採用を決め、日本でもマクニカ(横浜市港北区)が代理店となり医療機関などに導入を提案する。マブの特徴やどう普及させるかについて、カタリアヘルスのコーリー・キッド最高経営責任者(CEO)に聞いた。

―マブはどんなことができるのですか。

「黄色い身体で卓上に置ける大きさ。胸のタッチパネルと音声を使って患者と対話できる。対話を通じて患者の健康状態を把握したり服薬時間を知らせたりする。いまは生活習慣病患者が対象だ。マブの機能拡張の余地は大きく、医療機関や製薬企業、調剤薬局などと連携してマブを使った新サービスを構築したい」

―開発に10年以上かかったと聞きました。

「カタリアは2014年設立。だが、私がロボットを試作してから10年たつ。ロボット、ヒューマンインタラクション、心理学、医療の勉強を20年前から続け、対話で信頼感を得られるロボットを開発してきた。コスト面が一番苦労したが、スマートフォンの爆発的な普及で部品などの価格が急激に下がり、めどがついた。もちろんサービスモデルの構築も大変だったし、独自の人工知能(AI)活用で患者の心に響く対話を作ることも難しい。各技術のすり合わせも苦労した」

「Mabu(マブ)」

―月額利用料を取ると患者の負担になりませんか。

「米国ではサービス利用料金は医療機関や製薬企業が支払う形にしている。患者のロボット利用の負担金はゼロになる。在宅医療が増える中、患者はケアマネジメントの負担が増えることは必至。そうならないよう、ロボットが補える部分を担う。これまで医療ロボットと言えば手術支援や薬品衛生資材運搬用だった。今後は家庭内で医師の補助役として患者の健康管理をサポートするロボットも主流になるだろう。マブも早期がんや心疾患、リウマチなどに対象を広げたい」

―日本ではマクニカと組みました。

「マクニカの投資も受け入れ、ヘルスケアのパートナーと位置付けている。日本は生活習慣病患者が多く医療市場としても大きく、世界的な優先順位は高い。製薬企業に患者向けの健康や服薬管理の手段としてマブを採用してもらいたい。また、患者のバイタルデータをIoT(モノのインターネット)機器とマブが連携して把握し、状態に不安があれば医療機関に知らせるといったサービスを展開したい。マブ自体の機能拡張もソフト、ハードとも進める」

(聞き手=石橋弘彰)

日刊工業新聞2018年1月12日

石橋 弘彰

石橋 弘彰
01月12日
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複数のロボットメーカーから聞いた話では、人相手では話しにくいことでも、ロボットが質問すると回答してくれるという。科学的な実証はないが経験で得た事実らしい。プライベートな情報が必要となる、金融や不動産、医療などの分野では、対話ロボットを有効に活用できる余地がある。製薬企業と行ったマブの実証実験では、患者の治療への理解や継続を指すアドヒアランスに向上があった。科学的に効果が証明されている。マブは単なる服薬支援ではなく、対話機能を通じて多様な健康管理に貢献できるという。今後どんなサービスが生まれるか注目だ。

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