ルネサスがAI半導体で世界をリードし始めた!?
学習モデルを使ったデータを推論。生産ライン、高精度に異常検知
ルネサスエレクトロニクスは月内に、人工知能(AI)技術を搭載した半導体の提供を始める。AI半導体を組み込んだユニットを生産ラインに設置すると、高精度な異常検知ができるようになる。将来は売上高150億―200億円の事業に育て、マイコンを含む産業用半導体のシェアを現在の30%から40―50%に引き上げる。チップレベルで低コストにAIによる推論処理を行う半導体を競合の米メーカーに先駆けて投入し、スマートファクトリーにおける組み込み用半導体の覇権獲得を狙う。
AI技術を応用した半導体は、米インテルや米エヌビディアなども開発している。ただこれらは学習のための演算処理に特化しており、学習モデルを使ったデータの推論までは行っていない。
ルネサスのAI半導体は生産ラインからセンサーで取得した電流や電圧、振動といったデータを収集してパソコンなどに送り、設備の異常を判断する学習モデルを作成する。
そのモデルをAI半導体に書き込むことで、ラインの稼働データから高精度に異常を検知する。これまでは、ソフトウエアの言語変換や容量の問題から、AIの学習モデルを半導体チップに書き込むのは難しかった。
正常に稼働していても異常と判断してしまう「虚報」も正確に判別できる。異常検出には統計的な手法を用いるのが一般的だが、虚報の判断までは困難だった。
ルネサス那珂工場(茨城県ひたちなか市)のマイコン量産工程では、月に約50回あった虚報の数を、AI半導体を使うことでゼロにできた。不良の低減やメンテナンスの効率化などが見込める。
ルネサスはAI半導体単体と、同半導体を組み込んだユニットの開発ツールを供給する。開発ツールは一般的なAIフレームワークである「カフェ」と「テンソルフロー」に対応。通常は半年以上かかるAI環境の構築期間が、最短1日程度まで短縮できる。
AI技術を応用した半導体は、米インテルや米エヌビディアなども開発している。ただこれらは学習のための演算処理に特化しており、学習モデルを使ったデータの推論までは行っていない。
ルネサスのAI半導体は生産ラインからセンサーで取得した電流や電圧、振動といったデータを収集してパソコンなどに送り、設備の異常を判断する学習モデルを作成する。
そのモデルをAI半導体に書き込むことで、ラインの稼働データから高精度に異常を検知する。これまでは、ソフトウエアの言語変換や容量の問題から、AIの学習モデルを半導体チップに書き込むのは難しかった。
正常に稼働していても異常と判断してしまう「虚報」も正確に判別できる。異常検出には統計的な手法を用いるのが一般的だが、虚報の判断までは困難だった。
ルネサス那珂工場(茨城県ひたちなか市)のマイコン量産工程では、月に約50回あった虚報の数を、AI半導体を使うことでゼロにできた。不良の低減やメンテナンスの効率化などが見込める。
ルネサスはAI半導体単体と、同半導体を組み込んだユニットの開発ツールを供給する。開発ツールは一般的なAIフレームワークである「カフェ」と「テンソルフロー」に対応。通常は半年以上かかるAI環境の構築期間が、最短1日程度まで短縮できる。
日刊工業新聞2017年11月27日