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建築現場で技能労働者と4種類のロボットが『仲間』として働く 

「東京五輪・パラリンピックまでに、ひとつの形に」
 清水建設は建築工事の生産性向上などを目的に、2018年度から次世代型建築システム「シミズスマートサイト」を本格導入する。情報通信技術(ICT)を用いて統合管理された4種類の自律型ロボットが、現場で技能労働者と一緒に作業。将来の技能労働者不足が想定される中、省人化に威力を発揮する。清水建設の印藤正裕常務執行役員に、シミズスマートサイトの導入に向けた考え方と、今後の方針を聞いた。

―建設業におけるロボットによる導入効果は。

「今後技能労働者が減少する中で、ロボットにより、少ない人数で現場作業できるようにする必要がある。ロボットにより生産性を高める事ができる。その分を、技能労働者の処遇改善に反映させていけば、若者の入職も増える可能性が出てくる。東京五輪・パラリンピックまでに、ひとつの形にしたい」

―シミズスマートサイトの概要は。

「自律型ロボットと生産性の高い工法、ICTを組み合わせたシステムになる。これらの現場に関する情報をデータベースで統合管理する。建物の3次元モデルであるBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と連動させることで、建物状況に合わせた作業ができる」

―現在導入しようとしているロボットのコンセプトは。

「一緒に働く技能労働者の『仲間』になれるものを考えている。人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)により、自分で考え働き、感覚と知恵を持つロボットだ。1990年代に全天候型の自動施工システムに取り組んだが、コストがかかり使い勝手が悪く使われなくなった。今回はその反省を踏まえ『人が使いたい』と思えるものにする」

―現場への展開方針は。

「溶接やスライドクレーン、搬送など4種類のロボットがある。スライドクレーンは18年4月を、搬送と溶接ロボットは18年7月を、多能工ロボットは18年9月を計画している。本格的な適用に向けて完成度を高めていく」
(編集委員・村山茂樹)
日刊工業新聞2017年11月21日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
建設現場へのロボットは、これまでにも作業の一部分で導入されてきた。清水建設が今回導入するのは、現場に合わせて複数ロボットを統合的に管理するシステム。従来から一段階ステージが上がったと言える。各種ロボットの技術開発が進み、実用化はこれから。今後、現場で働く人とロボットの最適なすみ分けが重要になるだろう。 (編集委員・村山茂樹)

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