東芝、6000億円増資へWH破産手続き焦点

損金計上できれば税負担を圧縮できるが…

 東芝が進める資本増強策の検討で、連結子会社だった米ウエスチングハウス(WH)が申請した米連邦破産法11条の行方が焦点となっている。裁判所から再建計画が認可されれば、東芝はWH関連費用について税務上の損金算入が一部認められる。課税所得が減れば税負担が軽減され、2018年3月期末の債務超過額の圧縮につながる。ただ、18年2月末とするWHの再建計画の認可時期は流動的。東芝の経営陣はその行方に気をもんでいる。

 東芝はメモリー事業を売却し、上場廃止となる2期連続の債務超過を回避する考え。ただ各国の独占禁止法審査が長引き、18年3月期末までに手続きが終わらない恐れがある。これに備え資本増強策の検討を始めた。

 現時点で東芝は18年3月末に7500億円の債務超過に陥る見通し。その内訳で大きいのが税金だ。メモリー事業の売却は完了していないが、すでに税務会計上は評価益1兆800億円を計上し、3400億円の税負担が発生している。ほかの利益への課税と合わせ、18年3月期は4670億円の税負担を見込む。これが債務超過額を押し上げている。

 そこで東芝が注視するのが、WHの破産手続き完了時期だ。WH関連で17年3月期に約1兆4000億円の損失を計上したが「まだ税務上の損失としては認められていない」(平田政善東芝最高財務責任者)。

 破産手続きが予定通りに完了すれば、東芝は18年3月期中に損金計上できる。どの程度を計上できるかは現時点では定かではない。ただ「破産案件では裁判所の判断が下った段階で損金が確定する」(会計学が専門の八田進二青山学院大教授)のが一般的だ。

 WH関連の損失約1兆4000億円のうち仮に半分の7000億円を損金計上できれば、2000億円規模の税負担軽減となり、18年3月期末の債務超過額を5500億円規模まで圧縮できる。そうなれば、6000億円規模の資本増強をすればギリギリで債務超過を解消できる計算になる。

 ただWHの破産手続きは、これまでスケジュールが先送りになった経緯があり、再建計画認可が再度延長される可能性もある。18年3月期末までに間に合わなければ、東芝の資本増強策のハードルは上がることになる。
                 

(文=後藤信之)


日刊工業新聞2017年11月17日

明 豊

明 豊
11月18日
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ロイターの報道によると週明けにも第三者割当増資に向け取締役会で決議するといわれているが…。

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