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テスラにも実績、中国のEVベンチャーからプレスラインを受注した機械メーカー

アイダエンジニアリングがFMCから40億円で受注
 アイダエンジニアリングは中国の電気自動車(EV)ベンチャーのフューチャーモビリティ(FMC、南京市)から車体製造に使うプレスラインを受注した。ドアやルーフといった自動車の外板を成形する大型設備で受注額は約40億円。2019年3月の稼働を予定する。アイダエンジニアリングがEV専業メーカーから同様のプレス成形ラインを受注するのは14年の米テスラに続いて2社目。世界的なEVシフトが日本の設備産業に与える影響は今後、大きくなりそうだ。

 FMCは16年に中国のテンセントや台湾のフォックスコンが出資し、独BMW出身の技術者が創業した。FMCのEV工場(南京市)に供給するプレス成形ラインは加圧能力2500トンの超大型プレス機械など5台と搬送装置などで構成される。

 プレス機はサーボモーターで駆動する最新モデル。1分間に18―20回の上下運動ができる高速型とし、高級車を中心に採用が増えているアルミニウム材料にも対応する。

 FMCは19年を皮切りに22年までに「BYTON(バイトン)」ブランドのEV3車種を発売する計画がある。南京市の工場は年30万台の生産能力とし、まず同10万台を目指すようだ。

 中国は19年以降に、EVを中心とする新エネルギー車を一定割合で生産・販売するよう自動車メーカーに義務付ける規制を始める。現地ではここにきてEVベンチャーの設立が相次ぎ、FMCのほか、蔚来汽車(NextEV)などが知られる。

 規制をにらみ、大手でも独フォルクスワーゲン(VW)や米フォード・モーターが現地自動車メーカーとEVで合弁事業を手がける。テスラは中国工場を計画している。

 EVシフトが進めば、エンジン関連向けなどの機械受注にマイナス影響がある半面、モーターや減速機向けなどの市場が広がりそうだ。
日刊工業新聞2017年11月14日
六笠友和
六笠友和 Mukasa Tomokazu 編集局経済部 編集委員
アイダエンジニアリングは今回と同種の車体外板向けの超大型プレスに加え、モーター部品の成形用に、高速で精密な成形に向く加圧能力300トンクラスのプレス機械の引き合いが増えている。新分野の取り込みを狙い、機械メーカー各社の研究開発や設備投資が活発化しそうだ。

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