ベンツに初採用された三菱電機のマイルドHV向け「ISG」とは?

スターターと発電機の機能を併せ持つ。エンジン直結でベルト駆動が不要

 三菱電機は48ボルト電源に対応するマイルドハイブリッド車(HV)向けでスターターと発電機の機能を併せ持つシステム「ISG」を開発した。エンジンの出力軸にモーターを直結した業界初の構造で従来のベルト駆動式と比べて高出力化を実現し、燃費改善に貢献する。独ダイムラーの高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」に初採用され量産を始めた。

 ISGはモーターとモーターを制御するインバーターで構成し、減速時のエネルギー回生や加速時のトルクアシストなどに利用する。一般的なISGはエンジンとモーターをベルトを介し連結しており、急激な力の伝達や大きな負荷がかけられない制約があった。

 これに対し三菱電機のISGはエンジン出力軸直結型のシステムでベルト連結を不要にした。太線コイルでも高密度な巻き線を可能にする独自技術を使ったモーターの採用や、インバーターの冷却ユニットの設計最適化により製品化を実現した。今後ISGの小型・軽量化、高出力化を図り車メーカーへの採用を広げる。

 48ボルト電源対応のマイルドHVは比較的低コストな部品構成で燃費を改善できることから欧州を中心に普及が進む見通し。部品メーカー各社が関連技術の開発を強化している。

日刊工業新聞2017年11月15日

中西 孝樹

中西 孝樹
11月15日
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エンジン直結でベルト駆動が不要となるISGは有望だろう。先週日発表された欧州委員会の2021年後の燃費改善は2025年で約80g、2030年で67gが求められる。2025年の中間目標が設置されたことで、長期的なEVシフトだけではなく、既存エンジンの48V マイルド化も加速させなければならない。ISGによるマイルドHEVは2025年に世界販売の20%、2030年には30%へ拡大する可能性がある。

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