ソニーのカメラ事業はどこまで市場を席巻できるか
「カメラブランドでトップに」(石塚茂樹執行役)
ソニーの石塚茂樹執行役エグゼクティブ・バイス・プレジデント(EVP)は日刊工業新聞などのインタビューに応じ、担当するカメラ事業について「民生用からプロ用までの境目をなくし、カメラの総合トップブランドの確立を目指す」と方針を語った。同社はプロスポーツカメラマン向けのミラーレスカメラ「α9」を5月に発売し、サポート体制を含めて事業を強化している。販売台数は追わず、収益力の高い成長を推進する。
今後、ミラーレス分野において、現在と同等の世界シェア40%超を維持しながら「ソニーならではの小型・軽量でプレミアムな価値を付加する」(石塚執行役EVP)と説明。プロ向けの市場を深耕する。現在のプロ市場はキヤノンとニコンの一眼レフカメラが大半を占めるが、α9は毎秒20コマの高速連写やサイレント撮影といった一眼レフにできない領域に踏み込んだ。
地域別には、ミラーレスを含むレンズ交換式カメラ市場の大きい中国などに力を注ぐ。一方、コンパクトカメラ「RX0」は雨天時や狭い場所でも撮影でき「未開の地(の市場)を開拓できる」(同)。写真文化の変化に合わせた新たな提案を継続し「カメラといえばソニーと言われたい。停滞気味なカメラ市場のけん引役を目指す」(同)と意欲を示した。
望遠や広角など用途に合わせてレンズを選択するレンズ交換式カメラの中で、ミラーレスカメラの比率は着実に上がり、足元では約3割に上っている。同市場は、まずソニーやオリンパスなどがけん引し、一眼レフに強いキヤノンやニコンなども商品を拡充。今後、ミラーレス比率の拡大はさらに加速し、富士フイルムやパナソニックは、「19―20年ごろに5割を超える」と共通の見解を示す。
ただ、ミラーレスが市場を席巻するというわけではなく、一眼レフもミラーレスも平等に比較購入できるという状況だ。パナソニックの山根事業部長は、「これからは撮りたい作品からカメラを選ぶようになる」と話す。富士フイルムやパナソニックの戦略モデルも、得意な撮影領域を絞っている。
一眼レフユーザーの愛着は強く、画質だけでなく、シャッター音や質感も魅力になっている。その分、一眼レフのレンズ所有者に対して商品を出し続ける責任があり、ミラーレス専業の方が大胆な商品提案をしやすい。また、ユーザーも世代交代する。
ミラーレスの開発競争を、パイの取り合いだけでなく、スマホから本格的なカメラへの乗り換えにつなげたいところだ。
今後、ミラーレス分野において、現在と同等の世界シェア40%超を維持しながら「ソニーならではの小型・軽量でプレミアムな価値を付加する」(石塚執行役EVP)と説明。プロ向けの市場を深耕する。現在のプロ市場はキヤノンとニコンの一眼レフカメラが大半を占めるが、α9は毎秒20コマの高速連写やサイレント撮影といった一眼レフにできない領域に踏み込んだ。
地域別には、ミラーレスを含むレンズ交換式カメラ市場の大きい中国などに力を注ぐ。一方、コンパクトカメラ「RX0」は雨天時や狭い場所でも撮影でき「未開の地(の市場)を開拓できる」(同)。写真文化の変化に合わせた新たな提案を継続し「カメラといえばソニーと言われたい。停滞気味なカメラ市場のけん引役を目指す」(同)と意欲を示した。
望遠や広角など用途に合わせてレンズを選択するレンズ交換式カメラの中で、ミラーレスカメラの比率は着実に上がり、足元では約3割に上っている。同市場は、まずソニーやオリンパスなどがけん引し、一眼レフに強いキヤノンやニコンなども商品を拡充。今後、ミラーレス比率の拡大はさらに加速し、富士フイルムやパナソニックは、「19―20年ごろに5割を超える」と共通の見解を示す。
ただ、ミラーレスが市場を席巻するというわけではなく、一眼レフもミラーレスも平等に比較購入できるという状況だ。パナソニックの山根事業部長は、「これからは撮りたい作品からカメラを選ぶようになる」と話す。富士フイルムやパナソニックの戦略モデルも、得意な撮影領域を絞っている。
一眼レフユーザーの愛着は強く、画質だけでなく、シャッター音や質感も魅力になっている。その分、一眼レフのレンズ所有者に対して商品を出し続ける責任があり、ミラーレス専業の方が大胆な商品提案をしやすい。また、ユーザーも世代交代する。
ミラーレスの開発競争を、パイの取り合いだけでなく、スマホから本格的なカメラへの乗り換えにつなげたいところだ。
日刊工業新聞2017年11月10日の記事を加筆