ニュースイッチ

NAFTA交渉難航もメキシコで生産投資を拡大する自動車部品メーカー

富士機工、シフター増産へ
NAFTA交渉難航もメキシコで生産投資を拡大する自動車部品メーカー

メキシコの新工場で生産するシフター

 富士機工は2018年をめどにメキシコ・アグアスカリエンテス市に自動車用シフターの新工場を稼働する。現在はシート部品工場内で生産しているが、外部に移転し、規模も約3倍に拡張する計画。将来はステアリングコラムの生産も視野に入れる。市場の好転を背景に、ブラジル工場への増産投資も検討。中南米地域への設備投資を加速する。

 メキシコ子会社のフジキコー・メキシコはシート部品を生産する別子会社の工場内でシフターを生産してきた。だが、富士機工はジェイテクトの完全子会社になることが決まり、10月にシート部門を分社化した。メキシコのシフター生産拠点の移転はこの経営統合と事業再編の一環。

 主要取引先の日産自動車向けや新規取引先向けの受注増加が見込まれることから、移転を機に生産能力の増強を図る。土地、建物は賃借し、投資額は約5億円を計画する。

 移転を機に、メキシコで初となるステアリングコラムの生産も検討する。メキシコへはトヨタ自動車が新工場建設を計画するなど、今後の需要増が見込まれる。現在、メキシコ向けのステアリングコラムは米国工場から供給しているが、現地生産に切り替え、競争力を高める。
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
一方、ブラジルでは子会社のフジ・オートテック・オートぺサス・ド・ブラジルでステアリングコラムを生産している。ここ数年、自動車市場が低迷していたが、「市場が動きだした」(村瀬昇也富士機工社長)と判断。18年中をめどに、増産投資に踏み切る計画だ。 (日刊工業新聞浜松支局・田中弥生)

編集部のおすすめ