神鋼問題どう影響?鉄鋼大手の収益は大幅改善へ

2018年3月期、車向け需要が回復

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車向け需要回復(写真はイメージ)
 大手鉄鋼4社の2017年4―9月期連結決算が出そろい、各利益段階とも軒並み大幅に改善した。18年3月期連結決算の業績予想でも、品質データ改ざん問題の影響が予想される神戸製鋼所を除き、そろって大幅増益を見込む。自動車産業をはじめとする鉄鋼需要の回復が背景にある。ただ、各社の好業績には原料価格の上昇に伴う在庫評価の好転といった一過性の要因に支えられた側面もあり、利益構造の抜本的な改善が急がれる。

 17年4―9月期は堅調な内需が各社の鋼材販売量を押し上げたほか、原料高を受けた値上げで販売単価も上昇した。下期の需要も堅調に推移するとの見方が強い。

 JFEホールディングス(HD)は同日発表した18年3月期連結決算の業績予想で、従来は「未定」としていた売上高を前期比10・3%増の3兆6500億円に、営業利益を同2・2倍の2100億円に修正した。

 ただ、原料価格の上昇に対する各社の値上げ効果はまだ限定的で、17年4―9月期の増益要因としては、在庫評価の改善が際だって大きい。

 新日鉄住金は主原料の値上がり分を鋼材の値上げでおおむね吸収したものの、マンガンなどの副原料価格の上昇分を販売価格に転嫁しきれなかったためマージンが悪化し、利益が300億円縮小。一方で在庫評価が1190億円改善して増益に寄与した。

 JFEHDの岡田伸一副社長は同日の会見で「中国の生産動向と原料市況の変動が今後の懸念材料になる」と述べた。中国の鉄鋼メーカーによる増産もあって原料炭などの主原料価格が高止まりし、副原料価格の上昇傾向も強まる中で、利幅をどう確保するかが各社共通の課題となる。
                 

日刊工業新聞2017年11月2日

COMMENT

神鋼のデータ改ざん問題の影響も、今後の焦点となる。需要家の神鋼離れが進めば競合他社にとって商機となるが、日本鉄鋼連盟の進藤孝生会長(新日鉄住金社長)は品質保証に関する業界の指針を厳格化する方針を示しており、各社の負担が増える可能性がある。 (日刊工業新聞第ニ産業部・宇田川智大)

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