韓国リスク高まるも、電池セパレーター投資で攻める東レの勝算

EVシフト鮮明、韓国電池2社の増強に歩調合わす

 東レは19日、3500億ウォン(約350億円)を投じ、リチウムイオン二次電池(LIB)用のセパレーター(絶縁材)を製造する韓国2工場の生産設備を増強すると発表した。自動車に対する環境規制強化に伴い、LIBを搭載する電気自動車(EV)は生産を大きく伸ばす見通し。セパレーター需要も拡大しており、増産が必要だと判断した。

 まず、韓国・亀尾市の工場に2000億ウォン(200億円)を投資し、セパレーターの生産ラインを増やす。生産能力は、現在実施する設備増設が終わる17年度末に比べ、50%増える。近く着工し、2019年中に稼働する。

 さらに忠清北道に持つ、機能性樹脂をセパレーターに塗る専用工場の生産能力を5倍にする。投資額は1500億ウォン(150億円)で、18年度後半に稼働する。いずれの工場も生産能力は公開していない。

 東レは20年までに1200億円を投じ、日本の工場を含めたセパレーターの生産能力を現状比3倍程度の年20億平方メートルとする方針で、韓国工場は最大拠点とみられる。

日刊工業新聞2017年10月20日

鈴木 岳志

鈴木 岳志
10月22日
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東レのセパレーター投資攻勢が激しい。中国や欧州のEVシフトが鮮明となった今を絶好機と捉えている。リチウムイオン二次電池世界大手のLG化学とサムスンSDIのお膝元での工場増強だ。ただ、一抹の不安もある。世界最大のEV市場である中国では電池産業育成の大号令の下で現地メーカー優遇の壁に阻まれて韓国電池2社は苦戦を強いられている。おりしも、中韓関係が地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備で政経ともに冷え込みつつあり、北朝鮮の脅威も確実に増している。東レにとって、顧客の要望と地政学的リスクを天秤にかけながらの難しい判断が今後も続きそうだ。

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