ニチアス、ガラス繊維スポンジ状に 耐熱性高い新素材

 ニチアスは無機物のガラス繊維をスポンジ状に成形した新素材を開発した。高い耐熱性や耐薬品性を持つ無機物で、軽く、形状の復元性と吸音性を兼ね備えた素材は極めて珍しい。自動車の吸音材に使用した場合、従来のガラス繊維製品に比べ同等性能で重さを約10分の1に軽量化でき、これまで困難だった低周波域での優れた吸音材もつくれる。自動車の軽量化に寄与する部材として期待される。

 生産技術の確立にめどを付けており、近く試作品を提供する方針。開発した新素材はまず界面活性剤を加えた水にガラス繊維を分散させる。この水に空気を送り、多くの気泡を作ると気泡の周囲に繊維が沿うように付着し、多くの空隙が生まれる。これを乾燥すると、ガラス繊維が復元性のあるスポンジ状になる。

 試作品は直径0・1ミリ―0・5ミリメートルの「コア」と呼ぶ多くの空隙を持つ。密度は1立方センチメートル当たり0・01―0・02グラム。さまざまな製品に使われる1000―5000ヘルツの周波数域の音の吸収に使うマット状のガラス繊維製品と比べ、厚さは30%減、重さは90%減にできる。

 空隙の大きさや密度を任意に制御すれば、低周波域の吸音材もつくれる。また、ガラス繊維より高耐熱なアルミナ繊維も基材に使える。

 自動車の車外騒音規制の強化などで、高温のエンジン回りに使える耐熱性の吸音材への関心は高い。一方、従来のロックウールやガラス繊維製品が吸音性能への要求を満たそうとすると、重くなってしまう課題があった。開発品は復元性もあるため、複雑形状にも容易に施工できる。自動車や航空機、鉄道車両の軽量化需要を追い風に、耐熱吸音材向け需要を開拓する。

日刊工業新聞2017年10月20日

昆 梓紗

昆 梓紗
10月22日
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ガラスがスポンジになる、という従来の想像を覆す新素材です。

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