スーパーカブ、“還暦”を前に累計生産1億台達成

 ホンダは19日、2輪車「スーパーカブ」の世界生産累計1億台達成を記念した式典を熊本製作所(熊本県大津町)で開いた。スーパーカブは1958年に誕生。2018年には誕生60周年を迎える。

 式典には蒲島郁夫熊本県知事のほか、八郷隆弘ホンダ社長、鈴木哲夫二輪DEB統括責任者、安部典明二輪事業本部長らが出席。八郷社長は「1億台目のスーパーカブを本当にうれしく思う。これからも地元熊本の人に愛される製作所を目指していく」とあいさつ。蒲島知事は「大変名誉だと思っている」と祝いの言葉を贈った。

 ウエルカムホールにはモデルチェンジを遂げたニューモデルの「スーパーカブ110」、初代モデルの「スーパーカブC100」など歴代のスーパーカブを展示。八郷社長はニューモデルにまたがり笑顔を見せた。

 新型スーパーカブは生産拠点を中国から日本の熊本製作所に移管して11月10日に発売する。

日刊工業新聞2017年10月20日



中国から熊本に生産移管


 ホンダは、2輪車「スーパーカブ=写真」の生産を中国から熊本製作所(熊本県大津町)に移管する。中国の人件費高騰や為替が円安傾向にあることを受けて、国内での生産を決めた。ブランドイメージの向上も図る考えだ。

 スーパーカブは、コスト削減を目的に2012年から生産を中国に移していた。9月に新排ガス規制が既存の2輪車に適用されることを受け、新型車を発売するタイミングで熊本での生産を始める。発売は11月ごろを予定。排気量50ccの「スーパーカブ50」は約23万円、同110ccの「スーパーカブ110」は約27万円で、どちらも現行車種より約4万円値上げとなりそうだ。

 スーパーカブは1958年に発売。まもなく世界の累計生産台数が1億台になる人気車種。

日刊工業新聞2017年9月28日



白バイ隊員の殉職者減らしから始まった“もう一つのグローバル化”


 ホンダは1948年の創業以来、人の命と権利を重んじる「人間尊重」を基本理念の一つに掲げている。メーカーとして安全な車作りだけでなく、人々への安全教育活動にも力を注いできた。活動の根底には、創業者である本田宗一郎氏の「お客さまの安全を守る活動は一生懸命やるのが当たり前」という思いが息づいている。

 きっかけは日本でモータリゼーション(車社会化)が加速した60年代までさかのぼる。白バイ隊員の殉職者の多さに悩む警察から安全訓練の要請を受け、本田宗一郎氏が鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)内に私費で安全運転講習所(現交通教育センター)を64年に開設し、白バイ隊員の訓練を始めた。

 参加体験型の実践教育が実を結び、67年に殉職者数ゼロを達成。その成果を基に安全運転の普及を図るため、70年に専門組織「安全運転普及本部」を発足した。八郷隆弘社長は「当初は白バイ隊員向け訓練だったが、やがてバイクや車の講習を希望する一般客にも対象を拡大し、全国に広がっていった」と活動の経緯を語る。

 日本では現在、全国7カ所の交通教育センターで企業と個人向けに講習を設けている。運転の基礎技術や車両感覚の確認・習得に加え、特殊舗装での走行なども実施。車と自分の限界を知ることで、無理な運転を控えることと危険予知・予測の大切さを認識してもらう。また非運転者にも、学校や公民館に出向いて安全講習会を開くなど、「すべての人」(安全運転普及本部渉外管理課の島津光洋チーフ)への安全教育・啓発と位置付ける。

 活動の舞台は日本に留まらない。アジアや欧米など36カ国で事業所や販売店を通じて、指導者の養成や安全運転研修を実施している。

 今後は、進化する安全性能への対応も強化する方針。自動ブレーキなどの先進安全機能の採用・強化が進む一方で、運転時の車への依存度が高まることで「人の危険への感受性がゼロになる」(同)ことも考えられる。そのため将来は、先進安全機能の体験講習の開催などを視野に入れる。

日刊工業新聞2017年9月28日

三苫 能徳

三苫 能徳
10月21日
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立体商標にも登録された、一目で「カブ」とわかるデザイン。昭和の香りを残したスタイルがかっこいい。国産に戻ると聞くと、普段二輪に乗らない私でもちょっと欲しくなってしまいました。
中国からの生産移管で、熊本が活気づくことに期待したいです。

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