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【今週のリケジョ小町】“特殊な例”改善したい

タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 後藤 友葉さん
**産業機械向けコネクターの設計、評価
機器や部品の電気信号をつなぐコネクターはあらゆる装置に欠かせない。タイコエレクトロニクスジャパン(川崎市高津区)の後藤友葉さん(25)は、高速伝送化や耐環境性能への対応が求められる産業機械向けコネクターの設計や評価に携わっている。「一つの製品を自分一人で設計したり評価したりできる」と責任の大きい仕事にやりがいを感じている。所属するインダストリアル事業部では紅一点だが“工業系女子”の増加に貢献したい考えだ。

製品に潜む危険を洗い出す


「産業用機械に使うコネクターの設計や評価を行っています。新製品が仕様書に適合しているかをチェックし、オーバースペックなど仕様書外の項目にどれだけ耐えられるかを確認しています。最も重要なことは通電の確認です。120度Cの高温下に数十時間置いたり、振動を与えたりした後で接触抵抗の変化を観察します。製品に潜む危険を洗い出す業務です」

「母がパッチワークをしていた影響か、私も昔からモノづくりが好き。化石の発掘や鏡の製作、自動車キットの製作など子ども向けの体験教室に頻繁に連れていってもらいました。太陽電池を自作したことが印象的で、大学では電気電子工学科を選択しました」

“特殊な例”改善したい


「東海大学大学院工学研究科で大気圧プラズマを研究しました。絶縁体同士に無理やり高電圧を流すと空間の電子や原子が動きプラズマが発生します。通常は真空状態で行うのですが、大気中でも安定してプラズマができるよう研究していました。生物や化学分野で理系女性が増えていますが、機械は無機質で人気がありません。私も学生時代から“特殊な例”の扱いでした。もっと女性が来たいと思う環境を作っていきたいです」

「外資系のため、システムが英語です。図面は世界中で共有するため英語でわかりやすい表現が求められます。上司の確認なしに、一人前に扱えるよう取り組んでいます」
     
日刊工業新聞2017年10月09日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
子供の頃の体験が将来につながっている後藤さん。豊かな体験をすることが機械に対する先入観をなくしていくのでしょう。

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