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【今週のリケジョ小町】バイクレースで出会う

川重冷熱工業株式会社 金城 七海さん
**冷温水器の要素試験
開発に携わった機械が世に出ることを夢見て−。川重冷熱工業の金城七海さん(27)は、空調製品の開発部に所属し、吸収式冷温水器の安全性・耐久性向上に向けた要素試験に携わる。周りを見渡せば男性ばかりの職場で、日々奮闘している。入社4年目。まだまだ学ぶことも多いが、持ち前の負けん気の強さで飛躍の時をうかがう毎日だ。「今後入社してくる女性のために、道を開ければ良いですね」。まだ見ぬ“後輩女子”を意識しつつ、技術と知識の研さんに励む。

バイクレースで出会う


「鹿児島大学大学院理工学研究科で機械工学を専攻し、2014年に入社しました。父親の趣味がバイクレース観戦で、小さい頃よくレース場に連れていってもらいました。コックピットで作業する人たちがまぶしくて。これが機械系に進んだきっかけです」

「ある日のレース。童顔のライダーと、ライムグリーンのカラーリングが施されたバイクがマッチしていたのが印象に残りました。そう、親会社の川崎重工業製のバイクです。KAWASAKIブランドを知ったのもこの時でした」

「入社4年目です。開発部で空調製品の要素試験を担当しています。試験では吸収式冷温水器を構成する蒸発器、吸収器などの温度変化を確認します。予想した結果が得られないこともしばしばですが、次世代の空調製品の開発に生かせるデータを集めようと、いろいろな人と協力して試験を進めています」

夢は開発、採用にも興味


「将来の夢は開発の一員として新製品開発に携わること。そのためにいろいろな職場を体験したいです。特に採用に興味があります。男性職場でどう仕事をこなしていくか―。技術系の女性はきっと自分と同じ悩みを抱えて入社するでしょう。今経験していることを伝えていきたいです」

「女性も頑張れという世の中ですが、一人では何もできません。周りの助けが必要で、その一助になれたら良いですね」
   

(写真=清家 史彦、文=長塚 崇寛)
日刊工業新聞2017年9月25日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
技術職を経験した採用担当者がいれば就活生も心強いでしょう。

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