狙いは若年層、「つみたてNISA」開始まで3カ月
ネット証券、早くも募集に乗り出す
2018年1月から始まる長期積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」。10月以降に金融庁が投資先となる具体的な金融商品を公表し、証券業界の動きが本格化する。こうした中、SBI証券や楽天証券など一部のインターネット証券は9月からつみたてNISAの募集に早くも乗り出した。若年層を中心とする資産形成層を取り込もうと、証券各社の動きが活発化しそうだ。
つみたてNISAは購入した投資信託の分配金や運用益が非課税になる制度。既存NISAの年間非課税枠が120万円(最長5年)なのに対し、つみたてNISAは同40万円と少額だが、非課税期間は最長で20年間にも及ぶ。国民の長期の資産形成を目的にしているのが狙いだ。
18年1月の制度開始を前に、一部のネット証券は募集を始めた。SBI証券は22日から、楽天証券も24日から募集を開始。この内、楽天証券では積み立てをするタイミングを毎月か毎日に設定でき、取得価格の分散化ができるほか、楽天スーパーポイントで投信が購入できるのも特徴だ。
2社に続くのが松井証券で30日から口座開設の募集を始める。同社は7月以降、投信を毎月20―30本追加しているが、つみたてNISA開始をにらみ、さらに運用に適した投信を拡充する。
証券業界にとって資産形成層の取り込みは大きな課題となっている。現状、株式投資を手がける大半が中高年齢層。
将来の投資の担い手となる若年層に投資をしてもらい、新たな顧客層として取り込めるかは長年の課題となっている。
こうした中、業界団体の日本証券業協会は17年の重点施策として「中長期の資産形成への貢献」を掲げ、つみたてNISAを軸に国民の資産形成を促す意向を表明している。運用商品の選定基準など課題をあげる声は残るが、鈴木茂晴会長は「この制度が成功すれば、業界の持続的発展に向けた将来の新しいステップになる」と期待を寄せる。
つみたてNISA開始まで残り約3カ月。投資先となる金融商品はまだ確定していないが、金融庁は事前調査でETF(上場投資信託)を含む120本の投資信託が制度の要件を満たしていると既に公表している。
10月2日からは金融機関による商品の正式な届け出が始まり、金融庁は今後、具体的な銘柄を明らかにしていく方針だ。年末にかけてネット証券を中心に、つみたてNISAをめぐる業界の動きが慌ただしくなりそうだ。
(杉浦武士)
20年間非課税
つみたてNISAは購入した投資信託の分配金や運用益が非課税になる制度。既存NISAの年間非課税枠が120万円(最長5年)なのに対し、つみたてNISAは同40万円と少額だが、非課税期間は最長で20年間にも及ぶ。国民の長期の資産形成を目的にしているのが狙いだ。
18年1月の制度開始を前に、一部のネット証券は募集を始めた。SBI証券は22日から、楽天証券も24日から募集を開始。この内、楽天証券では積み立てをするタイミングを毎月か毎日に設定でき、取得価格の分散化ができるほか、楽天スーパーポイントで投信が購入できるのも特徴だ。
2社に続くのが松井証券で30日から口座開設の募集を始める。同社は7月以降、投信を毎月20―30本追加しているが、つみたてNISA開始をにらみ、さらに運用に適した投信を拡充する。
新たな顧客開拓
証券業界にとって資産形成層の取り込みは大きな課題となっている。現状、株式投資を手がける大半が中高年齢層。
将来の投資の担い手となる若年層に投資をしてもらい、新たな顧客層として取り込めるかは長年の課題となっている。
こうした中、業界団体の日本証券業協会は17年の重点施策として「中長期の資産形成への貢献」を掲げ、つみたてNISAを軸に国民の資産形成を促す意向を表明している。運用商品の選定基準など課題をあげる声は残るが、鈴木茂晴会長は「この制度が成功すれば、業界の持続的発展に向けた将来の新しいステップになる」と期待を寄せる。
120本の投信公表
つみたてNISA開始まで残り約3カ月。投資先となる金融商品はまだ確定していないが、金融庁は事前調査でETF(上場投資信託)を含む120本の投資信託が制度の要件を満たしていると既に公表している。
10月2日からは金融機関による商品の正式な届け出が始まり、金融庁は今後、具体的な銘柄を明らかにしていく方針だ。年末にかけてネット証券を中心に、つみたてNISAをめぐる業界の動きが慌ただしくなりそうだ。
(杉浦武士)
日刊工業新聞2017年9月26日