スズキ、小型車躍進を決定づけた“米国撤退”

相良工場で輸出車増産

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相良工場では、スイフトなどを生産。フル稼働が続く
 スズキの小型車の国内生産が好調だ。「スイフト」など新型車効果で国内販売が増加。さらにスイフトのハンガリー工場生産分を国内に生産移管したことで輸出が大幅に増えた。このため小型車を生産する相良工場(静岡県牧之原市)は8月に2日間の休日出勤で対応。9月以降も「同水準の休日出勤が必要」(山田教久相良工場工務課長)と増産対応に追われている。

 相良工場の生産能力は年間22万台。スイフト、「ソリオ」「イグニス」の3車種を生産する。イグニスは2016年2月、スイフトは17年1月に新型車を投入。さらにイグニスの輸出や、ハンガリー工場で生産していた欧州向けスイフトの国内移管で17年1月以降は月間約2万台ペースのフル稼働状態が続いている。

 スズキは17年4―6月期連結決算の各利益が過去最高を記録した。増益の要因は「国内工場の生産性が高まったことが一番大きい」(小林聖慈経営管理・IR部長)。同社の決算ではインド事業が注目されるが、所在地別営業利益では、国内がインドを含むアジアを上回った。

 相良工場は完成直後にリーマン・ショックに見舞われ長く稼働率が低迷した。16年夏に初の2交代勤務を導入。17年春以降は毎月2―3日の休日出勤で対応しているが、秋以降も月産2万台を超える高水準が続く見通しだ。

日刊工業新聞2017年8月22日

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中西孝樹
ナカニシ自動車産業リサーチ
代表

相良工場は2007年に急逝した小野専務(鈴木修会長の娘婿)が志した米国向け戦略中型モデルKizashiを量産すべく立ち上げた最新鋭工場であった。不幸は重なり、米国未曽有の不況やGMの破たん、更には原発問題などが重なり、相良工場の先行きは非常に不透明だった。しかし、2011年に米国四輪車撤退を決断。これが奏功し、スズキは日本、アジア、欧州を中核とした小型車メーカーとして大成長を遂げている。今やスズキの経営はすこぶる好調。フル操業まできた相良工場はその戦略転換の正しさを証明している。

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