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大阪IRに出資する?しない?、JR西日本の判断基準

JR西日本は大阪府・市が誘致・開業を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)に対し、IRで整備される会議場や展示場の規模などを評価点に出資の是非を判断する。大規模になれば世界的なイベントを誘致でき、出張と長期滞在が増え、旅客需要や地域活性化につながると見込む。大阪IRで唯一事業者公募に応じた米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの連合体に具体的な構想の説明を求め結論を出す方針だ。

大阪府・市は2026年度までのIR全体開業を目標に、2月に事業者公募を締め切った。6月に事業者を選定する予定で、米MGM・オリックス連合が候補に残った。同連合は選ばれたらIRを合弁事業で運営し、JR西など関西の有力企業に出資を募っている。

JR西は出資条件として、カジノ依存症対策など国が策定するIR基本方針との合致、地域経済への波及効果、多くの関西企業が取り組む社会的価値の有無などを設定する。

特に旅客・サービス事業者の観点からは会議場や展示場を重視。大規模であれば「産業にとって有益。観光客も来て消費し、長期滞在になる」(長谷川一明社長)と経済への波及効果を期待する。

併せて「IRがオール関西企業の位置づけになれば、単に採算だけで出資を決めない」(同)とも示す。IR基本方針は国会議員の汚職容疑や新型コロナウイルス感染症対策などから、大幅に遅れる見通し。しかし関西の企業としてはこれらの点を踏まえ、今後の出資交渉に臨む考えだ。

日刊工業新聞2020年3月20日

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