日本郵政の民営化“棚上げ”…かんぽ、営業再開見通せず 

質問に応じる増田日本郵政社長

日本郵政社長の増田寛也氏は10日、日刊工業新聞などのインタビューに応じ、かんぽ生命保険の不正契約問題調査について「3月から6月一杯がめどとなる」と述べ、2019年7月から止めている営業再開の時期は見通せないとした。また政府が日本郵政株の売却期限を27年度まで5年延長する方針を固めたことについて「追加株売却ができるよう早く経営を戻したい」としたが、民営化は事実上、一時棚上げに追い込まれた。 政府は日本郵政株について、郵政民営化法が定める「3分の1超」に下がるまで売却し、総額4兆円の売却益を東日本大震災の復興資金に充てる計画。 すでに第2次売却までに約2兆8000億円を調達、残る株式も第3次で1兆2000億円を見込んでいたが、19年に発覚したかんぽの不正契約問題で株価は急落している。 これを受け増田氏は「当面はかんぽ被害の全容解明と信頼回復に全力を挙げる」と述べ、ゆうちょ銀行でも投資信託の不適切契約が約2万件見つかっていることから、投信についても営業目標を見直すとした。 総務相、郵政民営化委員会委員長を歴任した増田氏は「会社間の縦割り構造が思っていたより強い。本社、支社、現場の縦の構造も切れている」とし、体質の改善に向け自身の出身である国土交通省の林俊行前建設流通政策審議官を日本郵政常務執行役として起用した理由を説明。元官僚コンビでグループ内部の固め直しに全力を傾けるとした。 日本郵政の増田寛也社長の主な質疑応答は次の通り。 ―かんぽ生命保険の再開のめどは。 「再開時期はまだ申し上げる段階ではない。業務改善計画を示した内容が実行されているかどうか、見ないと判断できない」 ―営業のノルマについては。 「営業目標が社にとってプレッシャーになる。お客さま本位の活動がおろそかになったという面がある。(営業)再開する段階に当たり適切に対応を取っていきたい」 ―日本郵政グループの組織体制の課題は。 「グループ全体が見える人は限られている。フロント、本部、その間に支社があるが、多重構造でつながっていない。支社で終わってしまう、本社に言っても応答がない。それが、現場のもどかしさにつながっている」 ―総務省の情報漏えい問題で鈴木康雄・前日本郵政上級副社長への調査状況は。 「社内調査は初めつつある。まとまった段階で明らかにする」

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