食品から日用品までを一台で売れる「高機能自販機」が解決することとは

支払い機能がある本体と販売機を組み合わせた「マルチ・モジュール・ベンダー」

サンデン・リテールシステム(東京都千代田区、森益哉社長、03・5209・3234)が、自動販売機の可能性を広げる取り組みを進めている。その戦略製品が、1台でさまざまな食品や日用品を販売できる高機能自販機だ。飲料向けを中心とする国内の自販機市場が縮小傾向にある中、人手不足などの課題解決にもつながる役割を果たすことで新たなニーズを掘り起こそうとしている。 「自販機大国」と言われる日本。ただ設置場所の飽和や、コンビニやドラッグストアの台頭などによって国内市場は厳しい環境にある。飲料向けを中心とする従来型のビジネスでは需要拡大を期待しにくい。 こうした流れを変えようと、同社が今春発売したのが高機能自動販売機「マルチ・モジュール・ベンダー(MMV)」。「対応する商品は無限大」(大木哲秀執行役員商品企画本部本部長)と指摘するように、さまざまな商品を提供できる柔軟性が特徴だ。 内部にさまざまな陳列棚を設置することで、大きさや形状、固さが異なる商品を取り扱える。例えば食品では、弁当やおにぎり、パンに加えて、卵のような取り扱いが難しい食品も同じ自販機で販売可能だ。 設置場所の広さの違いにも対応する。支払い機能がある本体と大小の販売機をユニットとして組み合わせれば、食品と併せて文房具や靴下などの日用品を1カ所で提供でき、消費者の利便性は大きく高まる。 陳列棚の制御を自動検知し、瞬時にシステムへ反映するなど管理者の負担を軽減。専門知識がなくても在庫管理や価格設定を簡単に操作できる。流通業界で人手不足が深刻化する中、「商品を販売するだけではなく、社会的課題を解決するツールになりうる」(同)。 流通業界だけでなく、フィットネスジムや工場の売店、オフィスなど納入先は実にさまざま。軽食や飲料を手軽に購入できる“プチコンビニ”としての機能に着目し、福利厚生の一環として同装置を導入する企業もある。 特に高層ビルに入居する企業の従業員にとっては、混雑が原因で昼食を取りにくいケースがあるが、オフィスに同装置を設置することで、「こうした問題を解消でき、移動時間を省ける」(江上元英コールドチェーン事業部営業1部担当部長)。企業側にとっては、食堂の設置に比べてコスト削減やスペースの有効活用につながる利点がある。 同社は自販機の用途に関して、商品の販売に加えてモノを管理するツールとしての有用性にも着目している。その一例が企業内で文房具などの消耗品を管理する装置としての応用だ。従来は人手によって対応していた作業をMMVに肩代わりさせ、無人で安全なシステムとして運用できれば省人化が見込める。 モノの販売からさまざまな社会的課題の解決へ。自販機の果たす役割は、機能の充実によって、さらに広がる可能性がありそうだ。(群馬支局長・古谷一樹)

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